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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
法律行為の存在
法律行為とは、法律効果の発生を目的とした意思表示またはその組合せをいう。本条は法律行為が前提されており、単なる事実行為や準法律行為は対象外である。意思能力の欠缺が問題となるのは、法律行為としての意思表示が存在する場合に限定される。
意思表示の存在
意思表示とは、法律効果の発生を欲する意思を外部に表現する行為をいう。本条が対象とするのは、当事者が何らかの意思を表示した場合であり、意思表示それ自体の存在が前提要件となる。意思表示がない場合は本条の適用場面ではなく、法律行為自体が成立しない問題となる。
意思能力の欠缺(意思能力がないこと)
意思能力とは、自らの行為の法律的意味を理解し判断できる精神的能力をいう。通説・判例は、法律行為の内容を理解し判断することができる一般的な精神能力を要求する基準を採用している。意思能力の判断時期は『意思表示をした時』であり、その時点での精神状態(幼年者、心神喪失者等)が問題となる。
意思表示の時点との同一性
本条は『意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは』と規定しており、意思能力の欠缺が意思表示と同一の時点で存在することを要求する。後発的な意思能力の喪失や事後的な判定は本条の対象外である。この時間的関連性が構成要件の重要な限定要素となる。
法律行為の無効という法律効果
本条により、意思能力の欠缺があった場合、当該法律行為は当然に無効となる。無効とは遡及的に当初から法律行為の効力が生じなかったことを意味し、追認による治癒の余地がない絶対的無効である。この点が相対的無効である制限行為能力者の行為と区別される。