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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない。
2財産及び収支の状況
3主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況
4主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容
5主たる債務者が前項各号に掲げる事項に関して情報を提供せず、又は事実と異なる情報を提供したために委託を受けた者がその事項について誤認をし、それによって保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合において、主たる債務者がその事項に関して情報を提供せず又は事実と異なる情報を提供したことを債権者が知り又は知ることができたときは、保証人は、保証契約を取り消すことができる。
6前二項の規定は、保証をする者が法人である場合には、適用しない。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
規律
主債務者は、事業のため負担する債務を主債務とする保証・根保証の委託をするときは、委託を受ける者に①財産及び収支状況、②他債務の有無・額・履行状況、③他担保提供の有無・内容、を情報提供しなければならない(1項)。主債務者の情報未提供・虚偽情報により保証人が誤認して契約申込み・承諾をした場合、債権者が情報懈怠・虚偽を知り又は知り得たときは、保証人は保証契約を取り消せる(2項)。法人保証人は不適用(3項)。
2020年改正・趣旨
事業保証の重大性に照らし、保証人が主債務者の経済状況を正確に把握する権利を保障。主債務者に積極的情報提供義務を課し、債権者の認識を要件に取消可能とする。
情報提供事項
①主債務者の財産・収支(保証履行の現実的可能性)、②他債務(保証人の二重・三重保証リスク)、③他担保(保証人の責任分担見込み)。事業保証判断に不可欠の3要素。
取消要件
①主債務者の情報懈怠・虚偽、②保証人の誤認、③誤認による申込み・承諾、④債権者の悪意・有過失。債権者の認識要件が課されることで、債権者は主債務者の情報提供を確認する間接的義務を負う。