集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
憲法21条は精神的自由の中核であり、民主主義の存立に不可欠な権利として最大限の保護が与えられる。司法試験では審査基準の選択・適用が答案の核心となる。
保障の範囲
- 言論・出版・放送・集会・デモ行進・ビラ配布・インターネット上の表現など広く保障
- 内容規制(what)と内容中立規制(how/when/where)で審査基準が異なる
- 商業的言論も保護されるが、保護の程度は政治的言論より低い
- 名誉毀損的表現も「公共の利害に関し、公益目的で、真実または真実と信じる相当な理由がある」場合は免責(刑法230条の2・北方ジャーナル事件)
違憲審査基準
審査基準の体系
内容規制(最も厳しい審査)
特定の思想・見解・内容を狙い打ちにする規制。原則として違憲。LRA(より制限的でない他の選びうる手段)の基準または厳格審査(compelling interest + narrowly tailored)を適用。
内容中立規制(中間審査)
表現の時・場所・方法を規制するが内容には中立な規制。「重要な政府利益の促進」「その利益に実質的に関連」「代替的コミュニケーション手段の存在」を要件とする中間審査(アメリカ法の影響)。
事前抑制の禁止
表現が世に出る前に行政・司法が内容を審査して発表を禁止する事前抑制は、原則として違憲(北方ジャーナル事件:最大判昭和61年)。例外は「明白かつ現在の危険」がある場合のみ。
検閲の禁止(21条2項)
「検閲」とは行政権が主体となり、思想内容等の表現物を発表前に審査して不許可にすること(最大判昭和59年・税関検査事件)。絶対的禁止。教科書検定は「検閲」に当たらない(最判平成5年)。
試験での答案構成
- ①21条の保障範囲に当たるかを確認(表現の自由として保護される活動か)
- ②制約の存在を確認(法律・条例・行政処分等による制限)
- ③審査基準の選択(内容規制か内容中立規制か・事前抑制か)
- ④基準への当てはめ(目的の正当性・手段の必要最小限性等)
- ⑤他の権利との衡量が必要な場合は利益衡量(プライバシー・名誉等)
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