学問の自由は、これを保障する。
1. 学問の自由の4要素
① 研究の自由
② 研究発表の自由
③ 教授の自由
④ 大学の自治
2. 重要判例
3. 大学と初等中等教育の比較
4. 答案の論証パターン
5. よくある落とし穴
落とし穴①:4要素を挙げずに「学問の自由を侵害する」と書く
落とし穴②:東大ポポロ事件の判旨を要約しすぎる
落とし穴③:学生に大学の自治の主体性を認める
落とし穴④:初等中等教育に大学と同等の教授の自由を認める
落とし穴⑤:学問の自由の独自性を無視して21条で論じる
FAQ — よくある質問
Q. 学問の自由の4要素は何ですか?
A.①研究の自由、②研究発表の自由、③教授(教育)の自由、④大学の自治の4つです。
①〜③は個人の学問活動の自由、④はそれらを制度的に保障するための大学の自律をいいます。答案では「学問の自由を侵害する」と一括せず、どの要素への制約かを特定して論じることが必要です。
Q. 東大ポポロ事件の判旨はどのようなものですか?
A.大学の学問の自由と自治は、大学における研究・発表・教授の自由を保障するためのものであり、学生の集会もこの限度で自由と自治を享受するにとどまる
Q. 大学の自治の主体は誰ですか?
A.第一次的には教授その他の研究者です。
学生は大学の営造物利用者であり、自治の主体そのものではありませんが、施設利用や集会の限度で学問の自由を享受します。学生を大学の自治の主体と位置づけて論じるのは、ポポロ事件の理解を誤るものとして減点されやすい点です。
Q. 小中高の教員に教授の自由は認められますか?
A.一定の範囲で認められますが、大学と同等の完全な教授の自由はありません(旭川学力テスト事件・最大判昭和51年5月21日)。
児童生徒に教授内容を批判する能力がないこと、教育の機会均等と全国的な一定水準の確保が要請されることから、初等中等教育では教授の自由が大きく制約されます。
Q. 学問の自由(23条)と表現の自由(21条)はどう違いますか?
A.研究発表は表現の自由(21条)とも重なりますが、真理の探究という学問固有の価値を保護するため、憲法23条が独自に保障しています。
したがって、学問活動への制約は21条だけで処理せず、23条の学問の自由の問題として、研究・発表・教授・大学の自治の各要素に即して論じます。
Q. 大学の自治にはどのような内容が含まれますか?
A.主に①教員人事の自治、②施設・学生の管理の自治、③研究・教育内容の自治が含まれます。
とりわけ教員人事の自治が中核とされ、大学構内への警察権の介入との関係では、東大ポポロ事件が施設管理の自治の限界を示した事案として重要です。