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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。
2ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。
3配偶者居住権は、譲渡することができない。
4配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。
5配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
規律
配偶者は従前の用法に従い善管注意義務で居住建物を使用収益(1項本文)。従前居住の用に供していなかった部分の居住転用は妨げない(同項ただし書)。配偶者居住権の譲渡は不可(2項)。所有者の承諾なき改築・増築・第三者使用収益は不可(3項)。違反時は所有者は相当期間を定めて是正催告し、期間内是正なきときは意思表示により配偶者居住権を消滅させることができる(4項)。
趣旨
配偶者居住権は配偶者個人の生活保障のための一身専属的権利。譲渡禁止・無断改築禁止・是正催告後消滅という規律で所有者の利益と配偶者の生活保障を調整する。
善管注意義務
賃借人(400条・616条準用)と同レベルの善管注意。限定承認者(926条)の自己同一注意より重い。配偶者居住権が長期に及ぶ性質と所有者の利益確保の要請から重い注意義務が課される。
消滅請求の特殊性
賃貸借の解除と異なり、所有者の意思表示のみで消滅する形成権。ただし催告と相当期間の経過が要件であり、信頼関係破壊が必要かどうかは解釈問題。通説は催告手続を尽くせば足りるとする。