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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。
2法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
法律行為の存在
本条が適用されるためには、契約その他の法律行為が有効に成立していることが前提となる。法律行為が無効であれば、始期・終期の付加も意味を失う。通説・判例は、法律行為の成立要件(申込と承諾の合致など)が充足されることを要求する。
始期の付加(第1項)
始期とは、将来の一定の事実の発生に法律行為の履行義務の発生を条件づけるものをいう。始期が付せられた場合、その事実が現実に発生するまで、相手方は履行を請求できない。通説・判例は、始期は期限(いつまでか)を示すもので、履行義務の発生を遅延させると解する。
終期の付加(第2項)
終期とは、将来の一定の事実の発生に法律行為の効力消滅を条件づけるものをいう。終期が到来すると、法律行為の効力そのものが消滅し、以後、その法律行為に基づく権利義務は生じない。通説・判例は、終期到来により遡及することなく当該時点で効力が消滅すると解する。
期限の到来(両項共通)
期限到来とは、付加された始期または終期に対応する一定の事実が現実に発生することをいう。期限到来の有無は客観的に判断され、当事者の主観的な意思は関係しない。誤解しやすい点として、始期・終期は確定期限と不確定期限に分類されるが、本条は両者を区別せず適用される。
履行請求権の制限(第1項)
始期付法律行為の場合、始期到来前は相手方に対して履行を請求することができない。これは履行義務の発生自体が遅延しているため、権利者は法的に請求権を行使できない状態にあることを意味する。通説・判例は、この請求権の制限は強行法で、当事者の合意でも変更できないと解する。
効力消滅(第2項)
終期付法律行為の場合、終期の到来により法律行為の効力が消滅する。これは期限到来までは法律行為が有効に存続し、当事者間の権利義務が生じることを前提としている。誤解しやすい点として、効力消滅と無効は異なり、消滅は過去に有効であった状態から将来に向けて効力が失われることを意味する。