民法2026-04-2910
Elenco編集部最終更新: 2026-04-29T12:12:06.997364+00:00

民法770条(裁判離婚の原因)の5要件・有責配偶者の離婚請求・重要判例【司法試験対策】

この記事のポイント

民法770条が定める5つの法定離婚原因(不貞・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・回復不能の精神病・婚姻を継続しがたい重大な事由)と有責配偶者からの離婚請求の可否を判例とともに解説。

民法770条とは

民法770条は「裁判上の離婚」の原因を定める。協議離婚(763条)・調停離婚(家事事件手続法・家事手続265条以下)が成立しない場合、裁判所に離婚の訴えを提起するには、770条所定の離婚原因が必要となる。

5つの法定離婚原因

① 配偶者に不貞行為があったとき(1号)

② 配偶者から悪意で遺棄されたとき(2号)

③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(3号)

④ 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき(4号)

⑤ その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき(5号)

有責配偶者からの離婚請求

不貞行為等により婚姻関係の破綻に責任のある配偶者(有責配偶者)から離婚請求できるか。

  • 原則:認められない(最大判昭和27.2.19は有責配偶者からの請求を「身勝手」として棄却)
  • 例外的に認められる場合(最大判昭和62.9.2の判例変更):① 別居期間が両当事者の年齢・同居期間に比して相当の長期間に及ぶ ② 未成熟子が存在しない ③ 離婚によって相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれない
  • この3要件を総合考慮して「信義誠実の原則(1条2項)に反しない」と判断できれば有責配偶者からの請求も認容される

重要判例

  • 最大判昭和27.2.19:有責配偶者からの離婚請求を「信義則に反する」として棄却(旧判例)
  • 最大判昭和62.9.2:別居35年等の事情のもと有責配偶者からの請求を認容(判例変更)。上記3要件を定式化
  • 最判昭和33.7.25:精神病(4号)につき「相手方の療育環境が整備されている」場合に離婚請求を認容
  • 最判平成元.3.28:別居期間が相当長期でも「相手方に過酷な状況をもたらす」として有責配偶者の請求を棄却した事例

司法試験・予備試験の出題ポイント

  • 5号「婚姻を継続しがたい重大な事由」の当てはめ(何が破綻事由か)
  • 有責配偶者の離婚請求の可否(昭和62年大法廷判決の3要件の習熟)
  • 770条2項の裁量棄却(1〜4号の原因があっても裁判所が離婚を認めないことがある)

家族法は近年の改正動向(共同親権の導入・2024年民法改正)も追う必要がある。離婚後の親権については改正法を確認すること。

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この記事について

本記事はElenco編集部が制作しました。条文・判例はe-Gov公式APIおよび最高裁判所判例集を一次ソースとして使用しています。法改正・判例変動に応じて随時更新しています。

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