民法2026-05-1311
Elenco編集部最終更新: 2026-05-02T07:33:34.481606+00:00

民法896条(相続の効力)包括承継の意義と相続分・遺産分割の解説【司法試験・予備試験対策】

この記事のポイント

民法896条の包括承継主義と相続の範囲(一身専属権の除外)を解説。法定相続分(900条)・遺産分割(907条)・特定財産承継遺言(899条の2)・相続させる旨の遺言との関係を整理。司法試験・予備試験の相続論点に完全対応。

民法896条とは — 包括承継主義

民法896条は相続の包括承継主義を規定する。相続人は相続開始時(被相続人の死亡時)から、被相続人の財産に属した「一切の権利義務」を承継する。ただし被相続人の一身専属権は承継されない(896条ただし書)。相続法は2019年改正(令和元年施行)で大幅に変更されたため、改正後の条文と改正前の判例の関係を正確に把握することが重要。

相続の客体 — 何が承継されるか

① 積極財産(資産)

② 消極財産(負債)

③ 一身専属権(承継されない)

法定相続分(900条)

  • 配偶者+子:配偶者1/2・子(全体で)1/2
  • 配偶者+直系尊属:配偶者2/3・直系尊属(全体で)1/3
  • 配偶者+兄弟姉妹:配偶者3/4・兄弟姉妹(全体で)1/4
  • 代襲相続(887条2項・901条):子が先死等の場合は孫が代襲。兄弟姉妹の代襲は甥姪まで(一世代のみ)
  • 2013年最判・改正:嫡出でない子の相続分は嫡出子と同等(900条4号ただし書削除)

特定財産承継遺言と対抗要件(899条の2)

  • 899条の2(2019年改正):相続による権利取得は法定相続分を超える部分について対抗要件(登記・動産引渡し等)が必要
  • 「相続させる旨の遺言」(特定財産承継遺言):2019年改正前は登記なしで対抗できると解されていたが、改正後は法定相続分超過部分は登記が必要
  • 第三者保護との調整:相続後に不動産を取得した第三者が現れた場合、登記の有無で優劣が決まる

遺産分割(907条)と分割前の処分

  • 共同相続の場合、遺産は相続開始から遺産分割まで相続人の共有状態(898条)
  • 遺産分割の方法:①指定分割(遺言による)②協議分割(相続人全員の合意)③調停・審判分割
  • 分割前の共有持分の処分:共同相続人の1人が法定相続分を第三者に譲渡した場合、他の相続人は持分の価額を償還して取り戻せる(905条)
  • 配偶者居住権(1028条以下):2019年改正で新設。配偶者が相続開始時に居住していた建物に居住する権利

相続の問題は「相続人の確定(誰が相続人か)→相続分の算定→遺産分割の方法→対抗要件(899条の2)」の順で処理する。2019年改正の影響が大きい論点(特定財産承継遺言の対抗要件・配偶者居住権・遺留分の金銭請求化)は改正前後で結論が変わるため、どの法が適用されるかを最初に確認すること。

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この記事について

本記事はElenco編集部が制作しました。条文・判例はe-Gov公式APIおよび最高裁判所判例集を一次ソースとして使用しています。法改正・判例変動に応じて随時更新しています。

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