消費者法の試験で「ECサイトが『通常価格10,000円→今だけ50%オフ5,000円』と表示していたが、割引前の価格で実際に販売した実績が存在しなかった事案で、景品表示法上の問題を論じよ」という問題が出た。「景表法5条2号(有利誤認表示)に該当し措置命令の対象となる」と答えたが、課徴金の算定根拠(対象売上の3%・最長3年・5条1号2号のみ対象)と2024年10月施行の確約手続を一切論じず、「課徴金の算定要件と最新改正の理解が欠落」として大幅減点された。類型を特定できるだけでは不十分で、効果の論述まで完結させることが求められる。
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲げる表示をしてはならない。 1号(優良誤認) 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの……よりも著しく優良であると示し、又は誤認させるような表示であって、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められるもの 2号(有利誤認) 商品又は役務の価格その他の取引条件について……著しく有利であると一般消費者に誤認されるような表示であって、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められるもの 3号(告示指定) 前2号に掲げるもののほか……一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって……内閣総理大臣が指定するもの
景表法5条の3類型は「何が誇大か」で分類される。1号は品質・効能・原産地など商品の内容、2号は価格・取引条件など取引の有利性、3号は告示で指定された7類型(おとり広告・無果汁・原産国等)が対象となる。答案では類型の特定にとどまらず、各要件の当てはめと違反効果(措置命令・課徴金・確約手続)まで論じることが求められる。
3類型の区別は「何が誇大か」の一点に集約される。品質・成分・原産地などの商品の中身→1号、価格・割引率・ポイント倍率などの取引条件→2号、告示で指定された特殊類型→3号。答案では類型を特定した直後に「①乖離 ②誤認のおそれ ③不当誘引」の3要件を当てはめる。
各類型の判断で押さえる要素
1号(優良誤認)の判断
実際の商品の品質・効能と表示内容の乖離が「著しい」かどうかが核心。科学的根拠のない健康効能表示(東京高判平成20年5月23日・ベータ保健食品事件)が典型例。消費者庁の「措置命令に係る優良誤認表示ガイドライン」が判断基準を示す。
2号(有利誤認)の判断
価格表示の乖離が「著しく有利」かどうかが核心。二重価格表示では「割引前価格が直近の相当期間において実際に販売された価格か」が問われる。過去4週間のうち2週間以上販売した実績がない価格は不当な比較価格として二重価格告示に該当する。
3号(告示指定)の判断
おとり広告告示・無果汁告示・原産国告示等の個別の告示要件を確認する。課徴金の対象外である点が1・2号と最大の違い。答案では「3号告示→措置命令のみ(課徴金なし)」を明記する。
課徴金算定の具体的手順
①対象期間の特定(違反行為の終了日から最長3年遡及)→②対象売上額の算定(違反表示に係る商品の売上)→③3%の乗算→④自主申告・協力による減額(5〜50%)→⑤最終課徴金額の確定。
景表法の答案は「①5条の類型特定(1号/2号/3号)→②3要件のあてはめ→③措置命令(7条)→④課徴金算定(8条・3%×最長3年・1号2号のみ)→⑤確約手続(2024年改正)」という5段階構成が採点者の期待する構造である。④で課徴金の対象範囲(3号は対象外)を誤ると効果論が全て崩れる。Elencoの条文ビューで景表法5条・7条・8条を確認し、AI演習で類型の当てはめを繰り返すことで答案精度が上がる。 → 条文・判例を検索する(無料): /search / この論点をAI演習: /practice