①行政法の体系(実体法・救済法)を把握できる。②取消訴訟の5要件を根拠条文付きで論じられる。③原告適格の判断基準(9条1・2項)を小田急高架訴訟に沿って論述できる。④国家賠償1条・2条の成立要件を正確に示せる。
処分性または原告適格が問われている設問では、その論点に全体の6〜7割の字数を使う。残りで他の訴訟要件・本案の違法性・取消後の権利回復可能性を論じる。逆に訴訟要件を等分に論じた答案は「何が争点かを理解していない」と評価される。
最大判平17(小田急高架訴訟)は、鉄道高架化事業の認可を争う周辺住民の原告適格を肯定した。根拠法令(都市計画法・環境影響評価法)が騒音・振動等の生活環境利益を個人的利益として保護する趣旨と認定したことが鍵。「反射的利益か個人的利益か」の区別に際しては、根拠法令が「不特定多数者の利益増進」だけでなく「個々人の被害防止・軽減」を目的に含むかを文言・目的から検討する。
公務員の行為(不作為・違法な行政指導・誤った許可等)→1条。道路・河川・公共施設の危険な状態から生じた損害→2条。両方を請求原因とする事案も多く、その場合は選択的請求として両方を検討する。2条は管理者の故意・過失不要が最大の特徴。
答案で小田急・もんじゅ判決を引用する際は「①根拠法令が個人の利益を保護しているか②原告が受ける損害の程度・具体性」の二要素を軸に記述する。判決名・年号の正確な記憶より、判決が採用した判断枠組みを「自分の言葉で」問題文の事実に当てはめることのほうが評価される。
「本件〇〇は、△△の権限に基づき、Xに対して□□を命じる(または拒否する)ものである。これは公権力の主体が行う行為であり(要素①)、その行為によりXの権利義務(具体的な権利侵害の内容)が直接形成・確定される(要素②)。よって本件〇〇は行訴法3条2項の処分に当たる(当たらない)。」
行政法の短答は条文の読み間違い・数字の混同(14条の期間:知った日から6か月/処分の日から1年)での失点が多い。肢の文言と条文の文言を照合する習慣をつけること。判例の射程(処分性の肯定・否定事例の区別)については図解で整理する方法が効果的。
行政法論文の核心は①取消訴訟の訴訟要件(処分性・原告適格を中心に)と②国家賠償(1条・2条)の両柱。処分性は「公権力・直接・権利義務形成」の3要素、原告適格は9条2項の枠組み(根拠法令の趣旨・利益の性質)で論じる。短答は条文数値の正確な記憶と判例の肯定・否定事例の区別が得点源。学習は百選判例のノート化と答案練習の繰り返しで完成する。