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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。
2ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
相続分指定と相続債権者の権利行使(2018年改正で新設)
相続債権者は、被相続人の相続分指定があっても、各共同相続人に対し法定相続分(900条・901条)に応じた権利行使ができる。指定相続分に拘束されない債権者保護規定。
立法趣旨
旧法下では指定相続分による債務承継の効果について判例(最判平21・3・24)と学説対立があった。本条で「相続債権者は法定相続分で行使可能」を明文化し、被相続人の指定により債権者の地位が不利にならないことを確保。
債権者の承認による例外(ただし書)
債権者が共同相続人の一人に対し指定相続分に応じた債務承継を承認したときは、その指定相続分が債権者にも対抗可能。債権者が任意に指定相続分を受け入れる場合は当然許容。
実務での意義
事業承継等で長男に多くの財産・債務を承継させる遺言があっても、債権者は法定相続分で他相続人にも請求可能。相続人間の内部関係(指定相続分)と対外関係(法定相続分)を分離する規定。