刑法2026-04-299
Elenco編集部最終更新: 2026-04-29T12:12:07.063758+00:00

刑法204条(傷害罪)の構成要件・暴行との区別・精神的傷害・重要判例【司法試験対策】

この記事のポイント

刑法204条(傷害罪)の構成要件・傷害の概念(身体的傷害・精神的傷害)・暴行罪との区別・同時傷害の特例(207条)を司法試験・予備試験向けに整理。傷害致死・傷害の危険犯理論の論点も収録。

刑法204条とは

刑法204条(傷害罪)は人の身体を傷害した者を処罰する。暴行罪(208条・2年以下の懲役)より重い法定刑(15年以下の懲役または50万円以下の罰金)が定められ、結果犯である点で暴行罪と区別される。

構成要件

① 客体:人の身体

② 行為:傷害行為(暴行を手段とすることが多いが必須ではない)

③ 結果:傷害の発生

④ 因果関係

⑤ 故意

「傷害」の概念

  • 身体的傷害(通説・判例):生理的機能の障害。皮膚の傷・打撲・骨折・疾病の惹起など
  • 精神的傷害:精神障害(PTSD・うつ病等の発症)も「傷害」に含まれる(判例・通説)
  • 毛髪の切断:判例は「傷害」に含まれないとしていたが(最判昭和29.8.20)、学説は批判的
  • 暴行罪との区別:暴行罪(208条)は暴行の結果傷害が生じなかった場合。傷害が生じれば204条

同時傷害の特例(刑法207条)

2人以上が同一の暴行を時間的・場所的に同一の機会に加え、そのいずれかの暴行により傷害が生じたが、どの暴行によるか判明しない場合(いずれも傷害の結果について証明不可)。207条は「共犯の例による」として、各人に傷害罪の刑事責任を負わせる。因果関係の証明が困難な場合のためのルール。

重要判例

  • 最判昭和32.4.23:騒音・悪臭による嫌がらせで被害者が神経衰弱症を発症→直接の暴行なしでも傷害罪成立
  • 最判昭和46.11.16:精神的傷害(神経症等)も傷害罪の「傷害」に含まれる
  • 最決平成24.7.24:207条(同時傷害の特例)の解釈。傷害行為を共同して行った可能性があると認められれば適用
  • 最判昭和53.3.22:傷害の故意で暴行を加えたが死亡→傷害致死(205条)が成立

精神的傷害の成否は近年の実務で重要。DV・ハラスメントによるPTSD・うつ病を傷害罪として立件するケースが増加している。207条の適用場面(路上での複数人の暴行)も頻出。

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この記事について

本記事はElenco編集部が制作しました。条文・判例はe-Gov公式APIおよび最高裁判所判例集を一次ソースとして使用しています。法改正・判例変動に応じて随時更新しています。

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