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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
前三条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。
2遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第八百九十九条の二第一項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。
3前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。
4ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。
5前二項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
規律
1011条〜1013条は遺言が相続財産のうち特定財産に関する場合はその財産についてのみ適用(1項)。特定財産承継遺言があったときは執行者は899条の2第1項の対抗要件を備えるための必要行為が可能(2項)。預貯金債権の場合、執行者は払戻請求・解約申入れができる(3項本文)。解約申入れは預貯金債権全部が特定財産承継遺言の目的の場合に限る(3項ただし書)。被相続人が別段の意思を表示したときはその意思に従う(4項)。
趣旨
2018改正で大幅追加。「相続させる」旨の遺言(特定財産承継遺言)について執行者の権限を明確化。判例(最判平成3.4.19)で対抗要件具備や預貯金処理の可否が不明確だったのを立法的に解決。
2項・対抗要件具備権限(改正)
特定財産承継遺言の受益相続人が899条の2の対抗要件(登記・通知等)を備えるための行為を執行者ができる。執行者による登記申請が可能となり、受益相続人の権利保護が強化された。
3項・預貯金処理(改正)
預貯金債権について執行者が銀行に対し払戻請求・解約申入れが可能。解約は預貯金全部が遺言対象の場合のみで、一部の場合は払戻しのみ可能とする限定。