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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
精神上の障害
精神病、知的障害、認知症など、精神的機能の異常状態を意味する。単なる一時的な精神不安定では足りず、継続的・恒常的な状態であることが必要である。最判は医学的診断と法的評価を区別し、法的には事理弁識能力の喪失につながる障害であることを要求している。
事理を弁識する能力を欠く
事理を弁識する能力とは、自分の行為の性質・結果を認識し、それに基づいて判断・決定する能力をいう。通説・判例は、日常生活における簡単な事柄さえも理解できない程度の著しい精神的減退を要件とし、相応の高度な判断能力の欠如を要求する。
常況にある者
常況とは、一時的・間欠的ではなく、継続的・恒常的な状態が存在することを意味する。通説・判例は、その状態が相当期間継続し、改善の見込みが低いことを実質的に求める。後見の開始は原則として取り消し不可能な重大な措置であるため、一時的な状態では足りない。
請求権者の適格
後見開始の審判は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人または検察官のみが請求できる。これは本人の保護と濫用防止のバランスを図ったもので、検察官の請求は公益的観点から認められている。
家庭裁判所の審判
後見開始は家庭裁判所の審判により初めて効力を生じる。通説・判例は、家庭裁判所は医学的鑑定を含む慎重な調査を行い、事理弁識能力の喪失について確信を得る必要があるとする。単なる請求があるだけでは足りず、要件充足の立証責任は請求者にある。