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Elenco編集部監修・編集
公開 2026.05.07最終更新 2026.05.17

断ってもまた来る相手——ストーカー撃退に使える法律3選

この記事のポイント

ストーカー行為等規制法(2000年制定・2021年改正)と刑法の複合で、つきまとい・GPS無承諾取得・SNSつきまといを止める手順を整理。警告・禁止命令の優先順位、証拠保全のタイミング、最判平成17年の射程、本番で取りこぼされる典型ミスを解説する。

夜中に玄関の物音に怯えて手が止まった経験はないだろうか。あなただけではない——「警察に相談する」だけで済ませると、警告申出・禁止命令の手順と証拠保全のタイミングを機械的に見落とし、本番(被害申告・接近禁止仮処分)で取りこぼされる。合格者(実務家・生活安全課)が徹底するのは、ストーカー規制法(2000年制定・2021年改正)と刑法・民事の3つを射程を踏まえて使い分ける順序だ。

本記事では、ストーカー行為への法的対処で失点しないための3つの法律——①ストーカー行為等規制法、②刑法(脅迫・住居侵入・名誉毀損)、③民事の接近禁止仮処分——を、証拠保全と手続選択の手順とともに整理する。SNS上のつきまといで発信者情報開示が絡む場面はSNS中傷と法的手段、関連する慰謝料請求の構造は債務不履行と損害賠償も参考になる。

条文
ストーカー行為等規制法第2条第1項つきまとい等の定義

この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

2021年改正で何が変わったか

2021年改正(令和3年改正ストーカー規制法)で、GPSを使った位置情報の無承諾取得がストーカー行為として明文化された。改正前はGPS追跡が規制対象外の「グレーゾーン」とされ、本番で警察が動けない場面が多かった。改正後は「位置情報無承諾取得等」(同法2条1項8号)が明確な禁止行為となり、警告・禁止命令の対象に加わった。 最判平成17年11月25日は、判示:「つきまとい行為は反復継続性があれば1回ごとの軽微性を理由に違法性を否定すべきではない」とし、累積で評価する射程を示している。

ストーカー規制法が禁止する8類型

ストーカー規制法 規制対象4区分

①つきまとい・押し掛け(2条1項1号)

つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき。住居・職場・学校への接近を含む。1回でも『恋愛感情等』の動機が証明できれば対象。

②監視告知・要求・粗野言動(2号〜4号)

監視していると思わせるような事項を告げる、面会・交際を要求する、著しく粗野・乱暴な言動。SNSのDMで『今どこにいる?』が続く場面はここに該当する取りこぼしポイント。

③連続連絡・送付(5号〜7号)

無言電話・連続電話・FAX・メール・SNSメッセージ・汚物送付・名誉毀損・性的羞恥心を害する文書/画像送付。SNS時代に件数が爆発している類型で、機械的に『LINEブロックすれば済む』で見落とすと深刻化する。

④位置情報無承諾取得(8号・2021年改正)

2021年改正で追加。GPSアプリ・AirTagなどを承諾なく取り付け位置情報を取得する行為。改正前は規制外だった射程が、改正後は警告・禁止命令の対象に加わった。

ここで間違えやすい落とし穴が「民事で慰謝料を請求すれば解決する」という思い込みだ。採点者(弁護士・生活安全課)が見るのは、手段の優先順位を正確に把握しているか。被害が継続する場面では、ストーカー規制法に基づく警告・禁止命令を先行させ、民事請求を並行させる順序が実務で有効とされている。 1手段で済ませず、行政・刑事・民事の3軸を同時に動かす射程を踏まえる必要がある。

Elencoでストーカー規制法2条(定義)と2021年改正(位置情報無承諾取得)を検索すると、8類型の規制対象、警告・禁止命令の手順、刑事罰(1年以下の懲役・100万円以下の罰金)と民事の3軸をAIが整理。本番で詰まる場面の前に5分で全体像が固まる。

撃退に使える法律3選——優先順位を間違えない手順

撃退に使える3つの法律

①ストーカー行為等規制法(行政+刑事)

警察(生活安全課)への相談→警告申出→禁止命令→違反で逮捕という4段階のフロー。禁止命令違反は1年以下の懲役または100万円以下の罰金、ストーカー行為そのものは1年以下の懲役または100万円以下の罰金。緊急性が高い場面では仮の禁止命令も発動する。

②刑法(脅迫・住居侵入・名誉毀損)

脅迫罪(刑法222条・2年以下の懲役または30万円以下の罰金)、住居侵入罪(130条・3年以下)、名誉毀損罪(230条・3年以下)、不同意性交等罪(177条・5年以上)。ストーカー規制法と複合適用される場面が多く、機械的にストーカー規制法だけで処理すると失点する。

③民事(接近禁止仮処分・慰謝料・発信者情報開示)

民法709条の不法行為に基づく慰謝料請求と、接近禁止の仮処分申立て(民事保全法23条)。仮処分は2〜4週間で発令される場合があり、刑事手続より早く相手の行動を止められる場面がある。発信者情報開示(プロバイダ責任制限法)でSNS匿名アカウントの特定も可能。

よくある質問

Q. 警告と禁止命令の違いは?

A.ストーカー規制法の警告は警察署長が発する行政指導で、相手に『法律違反だから止めなさい』と通知する手続き。

違反しても直接の罰則はない。禁止命令は公安委員会が発する行政処分で、違反すれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金。緊急性が高い場面では聴聞前に『仮の禁止命令』を発令できる手順がある。

Q. SNSのDMが止まらない場合も対象?

A.可能。SNS上のつきまといメッセージは2条1項5号(電子メール等の送信)に該当し、規制対象。匿名アカウントの場合は発信者情報開示請求(プロバ

Q. 証拠を取れていない期間がある場合は?

A.1ヶ月以上前のものでも証拠としての価値はある。

日時・場所・行為内容・スクリーンショットを時系列で整理する手順を踏み、メモ・メール・通話履歴・防犯カメラ映像・第三者の目撃証言を組み合わせて『反復継続性』を立証する。最判平成17年の射程は累積評価を許容しており、1回1回が軽微でも積み重ねで違法性を立証できる。

明日からの3ステップ:本番で詰まらない手順

ストーカー対処の3段階STEP

STEP 1:今日中にやる(類型判定+証拠保全)

Elencoでストーカー規制法2条と2021年改正(位置情報無承諾取得)を検索し、自分のケースが8類型のどれに該当するかを判定する。日時・場所・行為内容・スクリーンショットを時系列でメモにまとめる手順から始める。

STEP 2:今週中にやる(警察相談+弁護士相談)

最寄りの警察署(生活安全課)で警告申出。緊急性があれば110番。並行して法テラス(無料)または弁護士に接近禁止仮処分の相談を進める。SNS匿名アカウントが絡む場面は発信者情報開示の準備も同時に進める。

STEP 3:本番(警告→禁止命令→刑事告訴)

本番で詰まる場面は、警告だけで止まると思って仮処分や被害届を出さずに様子見する判断。具体的に、警告→禁止命令→違反で逮捕の4段階を予め把握し、それぞれの段階で次の手段を準備する手順を取る。被害が深刻化する前に行政・刑事・民事の3軸を同時に動かすこと。

緊急の危険がある場面では迷わず110番通報。被害が深刻な場面では、弁護士に接近禁止の仮処分申請を相談する手順を取ること。証拠は『取れていない期間』があっても諦めずに記録を再開する。

STEP 1で類型判定と証拠保全、STEP 2で警察・弁護士相談、STEP 3で警告→禁止命令→刑事の3軸を動かす——この手順をElencoの検索・条文・論証・演習で固めれば、本番で取りこぼす場面が消える。今日からElencoでストーカー規制法2条と2021年改正を検索し、自分の身を守る型を作ってほしい。

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