刑法2026-04-299
Elenco編集部最終更新: 2026-04-29T12:12:07.257975+00:00

刑法211条(業務上過失致死傷)の「業務」の定義・過失論・重要判例【司法試験対策】

この記事のポイント

刑法211条(業務上過失致死傷罪)の「業務」の要件・新旧過失論(旧過失論vs新過失論)・予見可能性・結果回避義務・信頼の原則を司法試験・予備試験向けに解説。

刑法211条とは

刑法211条は業務上の過失により人を死傷させた場合と、重大な過失により人を死傷させた場合を規定する。業務上過失致死傷は5年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金で、過失致死傷(210条・209条)より重く処罰される。

「業務」の定義

判例・通説は「業務」を「社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為であって、他人の生命・身体等に危害を加えるおそれのある行為」と定義する。

  • 職業・営業である必要はない(無償でも可)
  • 反復継続性が必要(1回限りでは業務に当たらない)
  • 他人の生命・身体への危険性が内在することが必要
  • 自動車運転(道路交通法上の運転)→ 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(2013年)で別途規定化(「自動車運転死傷行為処罰法」)

過失論:旧過失論と新過失論

旧過失論(意思説)

新過失論(行為無価値論)

信頼の原則

重要判例

  • 最判昭和26.6.7:競馬の騎手は「業務」に当たる(反復継続性・危険性あり)
  • 最判昭和33.4.18:柔道の稽古で死傷事故→指導者の業務上過失致死が成立
  • 最決平成元.3.14(信頼の原則):交差点で優先道路を直進中に無謀に進入してきた車に衝突→直進車の運転者に過失なし
  • 最決平成17.11.15(予見可能性の具体性):どの程度具体的な予見が必要かについて、「予見される危険の内容が特定されていれば足り、結果の詳細まで予見する必要はない」

自動車運転過失致死傷は2013年の特別法(自動車運転死傷行為処罰法)で独立規定化。刑法211条は医療過誤・建設工事事故・食中毒などが主な適用場面になった。

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この記事について

本記事はElenco編集部が制作しました。条文・判例はe-Gov公式APIおよび最高裁判所判例集を一次ソースとして使用しています。法改正・判例変動に応じて随時更新しています。

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