刑法2026-04-299
Elenco編集部最終更新: 2026-04-29T12:04:25.538303+00:00

刑法235条(窃盗罪)の構成要件と不法領得の意思 — わかりやすく解説【司法試験対策】

この記事のポイント

刑法235条「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」の構成要件を解説。不法領得の意思の要否・内容・占有の意義・窃取の意味を論証の型とともに整理。

刑法第235条窃盗

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法235条は窃盗罪を定める条文である。財産犯の基本形であり、司法試験・予備試験では「不法領得の意思」の要否と内容が最大の論点。強盗罪(236条)・詐欺罪(246条)との区別も頻出。

構成要件の分析

刑法235条 構成要件分析

① 客体:他人の財物

「財物」とは管理可能な有体物をいう(有体性説・判例)。電気は財物とみなす(245条)。「他人の」とは自己以外の者の占有に属することを意味し、財物の所有者が誰かは問わない。自己が所有する物でも他人が適法に占有していれば「他人の財物」となる(権利行使と窃盗の問題)。

② 実行行為:窃取

「窃取」とは、他人の占有する財物を、その者の意思に反して自己または第三者の占有に移転させること。「占有」は事実的支配(握持・監視等)に限らず、社会観念上の支配(包括的占有)も含む。死者の占有・封緘物の占有・乗り物の中の遺忘物なども問題になる。

③ 故意

上記客体・行為の認識が必要。自己の財物と誤信した場合は故意を欠く(38条1項但書)。

④ 不法領得の意思(超過主観的要素)

条文上は明記されていないが、判例・通説は不法領得の意思を窃盗罪の成立要件とする。①「権利者を排除して他人の物を自己の所有物として振る舞う意思(排除意思)」と②「経済的用法に従って利用・処分する意思(利用処分意思)」の2要素から成る(大判大正4年)。

不法領得の意思の要否と機能

不法領得の意思が要求される理由は2つある。第一に、使用窃盗(一時的使用後に返却する意図)を窃盗罪から除外するため(排除意思が欠ける)。第二に、毀棄・隠匿目的の場合と財産犯の場合を区別するため(利用処分意思が欠ける場合は器物損壊罪のみ成立)。

  • 一時使用(ジョイライド):返却意思があれば排除意思なし → 窃盗不成立(使用窃盗)
  • 毀棄目的:利用処分意思なし → 窃盗不成立、器物損壊罪(261条)のみ
  • 乗り逃げ(返却意思なし):排除意思あり → 窃盗成立
  • 手形・小切手等の不正取得:経済的利用意思あり → 窃盗成立

関連条文との区別

  • 強盗罪(236条):暴行・脅迫を手段とする点で区別。事後強盗(238条)・昏酔強盗(239条)も重要
  • 詐欺罪(246条):欺罔行為による交付との区別。占有移転が意思に基づくかで区別
  • 横領罪(252条):委託信任関係に基づく占有を前提とする点で区別
  • 恐喝罪(249条):脅迫があっても相手方の意思に基づく交付あり

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この記事について

本記事はElenco編集部が制作しました。条文・判例はe-Gov公式APIおよび最高裁判所判例集を一次ソースとして使用しています。法改正・判例変動に応じて随時更新しています。

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