条文を読み込み中...
条文を読み込み中...
条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
相続の開始後、第七百七十四条の規定により否認権が行使され、第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに被相続人がその父と定められた者が相続人として遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときは、当該相続人の遺産分割の請求は、価額のみによる支払の請求により行うものとする。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
否認後新被相続人の遺産分割請求権の価額化(2022年改正で新設)
相続開始後に774条による否認権行使と772条4項により新たに被相続人の父と定められた者が相続人として遺産分割請求する場合、他の共同相続人が既に分割等の処分をしていたときは、価額のみによる支払請求権となる。
910条との類似構造
910条(認知された相続人の価額支払請求権)と同型の規律。遡及的に相続人地位を取得した者の救済として、既了の遺産分割を覆さず価額のみで救済する取引安全・既了処理保護の思想。
立法趣旨
嫡出否認により実父子関係が確定する者が新たに相続人となる場合、既了の遺産分割を覆滅させると相続関係が著しく不安定化する。価額支払請求権により被認知者類似の救済を提供しつつ既了分割を維持。
改正前との比較
改正前は嫡出否認が父からしかできず、相続開始後の否認は実務上稀だった。改正で子・前夫等にも否認権が認められたことで、相続開始後の否認による相続人変動が想定され、本条が必要となった。