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週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。
3ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
暦による計算(1項)
週・月・年で期間を定めたときは暦に従って計算する。30日や365日への換算ではなく、暦上の同名日を末日とする方式。
応当日計算(2項本文)
週・月・年の初めから起算しない場合、最後の週・月・年において起算日に応当する日の前日に満了する。例:1月15日起算で3か月なら4月15日の前日(4月14日)満了。
応当日不存在の特則(2項ただし書)
月・年で期間を定めた場合に最後の月に応当日がないとき(例:1月31日起算で1か月→2月31日は存在しない)は、その月の末日(2月28日または29日)に満了する。
実務上の頻出場面
消滅時効・契約期間・出訴期間等の計算で頻出。応当日の前日満了という規律は誤解されやすく、注意を要する。
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時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
時効の遡及効
時効の効力は起算日にさかのぼる。取得時効では占有開始時に所有権を取得し、消滅時効では債権発生時(権利行使可能時)に債権が消滅していたものと扱う。
取得時効の遡及効
162条等で要件を満たした場合、援用により占有開始時から所有権を取得していたことになる。果実取得・登記・第三者対抗等の処理に影響する。
消滅時効の遡及効
166条等で消滅時効が完成し援用されると、起算日(履行期等)にさかのぼって債権消滅とみなされる。利息・遅延損害金も発生しなかったことになる。
援用との関係
145条により当事者の援用がなければ裁判所は時効を考慮できない。遡及効も援用された時に発動する設計。
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時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。
援用の要件
時効は当事者が援用しなければ裁判所はこれによって裁判できない。職権適用を排除し、援用権者の意思を尊重する設計。
援用権者の範囲(2017年改正で明文化)
従来判例で展開されていた援用権者の範囲を2017年債権法改正で明文化。消滅時効では保証人・物上保証人・第三取得者「その他権利の消滅について正当な利益を有する者」が援用権者となる。判例(最判平11・10・21等)の蓄積を受け継ぐ。
援用の性質
通説は不確定効果説(停止条件説):時効完成によりひとまず権利変動が生じるが援用により確定的に効果が発生。判例は同じく不確定効果説(援用は実体法上の意思表示)。
援用の効果の相対性
援用は相対的効力。連帯債務者の一人が援用しても他の連帯債務者には効力が及ばない(439条改正前後で射程に違いあり)。保証人の援用も主債務者には及ばない場面がある。
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時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。
時効利益の放棄
時効の利益はあらかじめ放棄することができない。完成後の放棄は可能。
趣旨
債権者が債務者の窮状を利用し時効利益放棄を強要する弊害を防止する。完成前の放棄は無効、完成後の放棄は自由意思の発露として有効。
完成後の放棄の方法
明示・黙示いずれも可。一部弁済・支払猶予の懇請・債務承認等は黙示の放棄とされる場合あり。
援用権の喪失
判例は完成後に時効を知らずに承認した場合、信義則上時効援用権を喪失すると判示(最判昭41・4・20)。
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次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
2裁判上の請求
3支払督促
4民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
5破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
6前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
裁判上の請求等による完成猶予と更新(1項)
次の事由が生じた場合、その事由が終了するまで(確定判決等で権利確定なき終了時はその時から6か月経過時まで)時効は完成しない。①裁判上の請求、②支払督促、③和解・調停、④破産手続参加・再生手続参加・更生手続参加。
更新(2項)
1項各号の事由が確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、その終了時から新たに時効が進行(更新)。
2017改正のポイント
改正前の「中断」を「完成猶予」「更新」に分離。完成猶予=期間進行のストップ、更新=期間リセット。
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次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
2強制執行
3担保権の実行
4民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
5民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
6前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
7ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。
強制執行等による完成猶予(1項)
①強制執行、②担保権の実行、③民事執行法195条の競売、④財産開示手続・第三者情報取得手続がある場合、その事由が終了するまで時効は完成しない(申立て取下げ・法律違反取消による終了時はその時から6箇月)。
終了による時効更新(2項本文)
1項各号の事由が終了した時から新たに時効が進行する(時効の更新)。
更新の例外(2項ただし書)
申立て取下げまたは法律違反による取消で終了した場合は更新の効力なし(完成猶予のみ)。
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次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2仮差押え
3仮処分
仮差押え・仮処分による完成猶予
①仮差押え、②仮処分の事由がある場合、その事由が終了した時から6箇月を経過するまで時効は完成しない。
更新効果なし
147条・148条と異なり、仮差押え・仮処分には時効更新(再進行開始)の効力はない。完成猶予のみで、その後本案訴訟等の更新事由が必要。
趣旨
保全処分は権利確定のためではなく権利保全のため暫定的措置であり、その後の本案手続を予定するため更新効を認めない。
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催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。
催告による完成猶予(1項)
催告があったときは、その時から6箇月を経過するまで時効は完成しない。
再度催告の効力否定(2項)
催告による完成猶予中に再度催告しても、完成猶予の効力は生じない(時効満了直前に繰り返し催告して引き延ばすことは不可)。
催告の意義
裁判外の請求一般を指す。書面・口頭問わず、特定の請求であれば足りる(判例)。完成猶予期間中に裁判上の請求等本格的措置を取ることが想定される。
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権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。
2その合意があった時から一年を経過した時
3その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時
4当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時
5前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。
6ただし、その効力は、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない。
7催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。
8同項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた催告についても、同様とする。
9第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
2前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。
承認による更新(1項)
時効は権利の承認があったときは、その時から新たに進行を始める。完成猶予ではなく直接更新の効果。
承認者の能力(2項)
承認するには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと・権限があることを要しない。管理権で足り処分権限まで不要。
承認の方法
意思表示ではなく観念の通知。一部弁済・利息支払・支払猶予の懇願等が含まれる(判例)。
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第百四十七条又は第百四十八条の規定による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
2第百四十九条から第百五十一条までの規定による時効の完成猶予は、完成猶予の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
3前条の規定による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
147条・148条の効力範囲(1項)
裁判上の請求等(147条)・強制執行等(148条)による完成猶予または更新は、事由が生じた当事者およびその承継人の間においてのみ効力を有する(相対効)。
149条〜151条の効力範囲(2項)
仮差押え・仮処分・催告・協議合意による完成猶予も、事由が生じた当事者およびその承継人間でのみ効力を有する。
152条承認の効力範囲(3項)
承認による更新も承認をした当事者およびその承継人間でのみ効力を有する。
趣旨
時効完成猶予・更新は相対効が原則。連帯債務・保証等の絶対効規定がある場合はそちらが優先(旧法の絶対効を縮減した改正)。
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第百四十八条第一項各号又は第百四十九条各号に掲げる事由に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、第百四十八条又は第百四十九条の規定による時効の完成猶予又は更新の効力を生じない。
時効利益者外への執行の通知要件
148条1項各号(強制執行等)・149条各号(仮差押え・仮処分)の手続が、時効の利益を受ける者に対してされない場合は、その者に通知をした後でなければ、完成猶予または更新の効力を生じない。
趣旨
物上保証人所有不動産への抵当権実行のように、債務者以外(時効利益を受ける者=主債務者)に対する手続でない場合に、債務者が知らないうちに時効が更新されることを防止する。
具体例
物上保証人に対する担保権実行→主債務者への通知後でなければ主債務の時効に影響しない。
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削除
削除条文(155-157条)
民法155条から157条までは2020年改正で削除。旧155条(時効中断請求の効力範囲)・156条(時効中断承認の効力)・157条(時効中断の効力消滅)は、現行147-154条の時効完成猶予・更新制度に再編・吸収された。
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時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。
2未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。
未成年者・成年被後見人の保護(1項)
時効期間満了前6箇月以内に未成年者または成年被後見人に法定代理人がないときは、その者が行為能力者となった時または法定代理人が就職した時から6箇月経過まで時効は完成しない。
親・後見人に対する権利の特則(2項)
未成年者・成年被後見人が、財産を管理する父・母・後見人に対して権利を有するときは、行為能力者となった時または後任法定代理人が就職した時から6箇月経過まで時効完成せず。
趣旨
本人が時効中断措置を取れない期間、または管理者と権利者が同一で利益相反となる期間の権利消滅を防ぐ。
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夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
夫婦間の権利の完成猶予
夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6箇月を経過するまで時効は完成しない。
趣旨
婚姻中に配偶者に対し時効中断措置を取ることは事実上困難であり夫婦関係を害するため、婚姻継続中は時効進行を実質的に阻止する。
婚姻解消
離婚・配偶者死亡・婚姻取消等を含む。解消後6箇月以内に裁判上の請求等の措置を取れば足りる。
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相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
相続財産に関する完成猶予
相続財産に関しては、①相続人が確定した時、②管理人が選任された時、③破産手続開始決定があった時、のいずれかから6箇月経過まで時効は完成しない。
趣旨
相続開始後、相続人不確定・管理人不在の期間は、相続財産に関する権利行使ができないため時効完成を阻止する。
適用範囲
被相続人の債権・債務両方に適用。相続財産の権利者・義務者双方を保護する。
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時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため第百四十七条第一項各号又は第百四十八条第一項各号に掲げる事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
天災等による完成猶予
時効期間満了時に、天災その他避けることのできない事変のため147条1項各号(裁判上の請求等)・148条1項各号(強制執行等)の手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から3箇月を経過するまで時効は完成しない。
障害の客観性
「避けることのできない事変」は客観的に手続不可能な状況を指す(裁判所機能停止・通信途絶等)。当事者個人の事情(病気・出張)は含まない。
趣旨
震災等の不可抗力により権利者が時効阻止措置を取れない場合の救済規定。協議合意(151条)等他の事由は対象外。
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二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
長期取得時効(1項)
20年間所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した者はその所有権を取得する。
短期取得時効(2項)
10年間所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した者は、占有開始時に善意かつ無過失であったときは所有権を取得する。
要件
①所有の意思(自主占有)、②平穏・公然、③一定期間継続、④他人の物(自己の物でも可:最判昭42・7・21)、⑤短期は占有開始時の善意無過失。
立証責任
自主占有・平穏公然は推定(186条1項)、占有継続は前後両時点の占有で推定(186条2項)、善意無過失のうち善意は推定・無過失は時効取得者が立証。
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所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。
所有権以外の財産権の取得時効
所有権以外の財産権を自己のためにする意思をもって、平穏かつ公然と行使する者は、162条の区別に従い20年または10年経過後にその権利を取得する。
対象となる財産権
地上権・永小作権・地役権(継続的かつ表現的なもの:283条)・賃借権・債権等。
賃借権の時効取得
判例は土地賃借権の時効取得を認める(最判昭43・10・8)。要件として①継続的用益、②賃借意思を客観的に表現する事実(地代支払等)。
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第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。
自然中断(占有任意中止)
占有者が任意に占有を中止したときは、162条の取得時効は中断する。占有取得時効は占有の継続が要件であるため、占有自体を放棄すれば時効進行は失効する。
占有侵奪による中断
他人によって占有を奪われたときも時効中断。ただし占有回収の訴え(200条)により1年以内に占有を取り戻せば、占有継続が擬制される(203条ただし書類似の解釈)。
時効更新との関係(2017年改正後)
2017年改正により「中断」概念は「完成猶予」と「更新」に再編されたが、本条は取得時効固有の「中断(占有喪失による)」を残存させている。時効の進行自体が消滅する効果は更新と類似。
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前条の規定は、第百六十三条の場合について準用する。
164条規定の準用
前条(164条:占有承継による取得時効)の規定は、163条(所有権以外の財産権の取得時効)の場合について準用する。所有権以外の財産権についても占有承継時効を認めるための準用規定。
163条の対象
163条は地上権・永小作権・地役権・賃借権等、所有権以外の財産権を10年(又は20年)の継続的行使により取得することを認める。判例(最判昭43・10・8)は賃借権の取得時効を肯定。
164条準用の効果
164条は時効中断(更新)事由として承認を規律。本条準用により所有権以外の財産権の取得時効も同様に承認による時効中断(更新)が可能となる。
改正による条文整序
2017改正により時効「中断」が「更新」に表現変更されたが、164条本体の規律は維持。本条もそれに連動。
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債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
2債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
3権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
4債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
5前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。
6ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。
債権の消滅時効期間(1項)
①債権者が権利を行使できることを知った時から5年(主観的起算点)②権利を行使できる時から10年(客観的起算点)のいずれか早い時点で完成。
債権又は所有権以外の財産権(2項)
権利を行使できる時から20年で消滅時効。
所有権は消滅時効にかからない
166条2項の反対解釈。ただし他人による取得時効(162条)で間接的に失われうる。
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人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるのは、「二十年間」とする。
人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の長期化(2017改正で新設)
人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効について、166条1項2号の「権利を行使することができる時から10年」を「20年」とする。
趣旨
生命身体侵害は被害が重大で発見・損害確定に時間を要するため、長期時効を倍にして被害者保護を強化。債務不履行・不法行為双方に適用される統一規定。
不法行為時の関係
724条の2が不法行為の時効主観3年→5年への延長、724条2号20年除斥期間維持と並走。166条1項1号(主観5年)・167条(客観20年)・724条特則の三層構造。
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定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
2債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から十年間行使しないとき。
3前号に規定する各債権を行使することができる時から二十年間行使しないとき。
4定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。
定期金債権の意義
「定期金債権」とは年金・終身定期金・扶養料等、一定期間ごとに反復して給付を受ける基本債権を指す。各回の支払債権(支分権)とは区別される。
二重の時効期間(1項)
債権者が各支分権を行使可能と「知った時」から10年(主観的起算点)または「行使可能時」から20年(客観的起算点)のいずれかが先に経過すれば、定期金債権自体(基本権)が消滅。166条1項と同様の二重起算点構造を持つが、客観的期間が20年と長期である点が特徴。
支分権との関係
本条は基本権(定期金債権)の時効。各回の支分権は166条1項により別途5年・10年で消滅する。基本権が時効消滅すると以後の支分権も発生しなくなる。
承認書交付請求(2項)
債権者は時効更新の証拠を得るため、いつでも債務者に承認書交付を請求できる。長期にわたる定期金関係において時効管理を容易にする実務的便宜規定。
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確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。
2前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。
判決確定債権の時効期間延長(1項)
確定判決または確定判決と同一の効力を有するもの(和解調書・調停調書・調停に代わる決定等)で確定した権利は、本来10年より短い時効期間(例:商事債権の5年)の定めがあっても10年とする。判決等で確定された権利の安定性を確保する趣旨。
対象となる「同一の効力」
確定判決・裁判上の和解(民訴法267条)・調停調書(民事調停法16条)・労働審判(労働審判法21条)・支払督促等。確定判決と同様の既判力・執行力を有するものが含まれる。
適用除外(2項)
確定時点で弁済期未到来の債権には適用しない。すでに将来発生する債権部分には10年延長効を及ぼさず、本来の時効期間で進行する。例:判決時点で履行期未到来の将来分賃料等。
実務上の意義
判決取得後10年で再度確認の訴え提起や強制執行(民執法22条)により時効更新する必要がある。10年放置すれば判決取得した債権も消滅時効にかかる点に注意。
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削除
削除条文(170-174条)
民法170条から174条までは2020年改正で削除。旧170-174条の短期消滅時効(3年・2年・1年)は廃止され、現行166条1項の「権利行使可能を知った時5年または客観的10年」原則に統一された。
この条文の練習問題を解く
物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。
物権法定主義
物権は民法その他の法律に定めるもののほかは、創設することができない。種類・内容ともに法定であり、当事者の合意で新たな物権類型を作れない。
趣旨
封建的物権の廃絶と公示の徹底(取引安全)。物権の排他性・絶対性が第三者に重大な影響を与えるため類型を制限する。
解釈の柔軟化
慣習法上の物権(温泉専用権・流水利用権等)は法の趣旨に反しない限り認める判例傾向あり。
この条文の練習問題を解く
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
意思主義
物権の設定及び移転は当事者の意思表示のみによって効力を生ずる。登記・引渡しは対抗要件にすぎず効力要件ではない(フランス法系)。
特定物売買での所有権移転時期
判例は契約成立時に直ちに移転(最判昭33・6・20)。ただし代金完済時等の特約があれば優先。
不特定物の所有権移転時期
目的物が特定(401条2項)した時に移転する。
この条文の練習問題を解く
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
不動産に関する物権変動
所有権・地上権・抵当権等の設定・移転・変更・消滅。意思表示のみで生じた物権変動も含む。
登記の欠缺
対抗要件たる登記を備えていないこと。
第三者の登記主張
判例は「当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者」(大連判明治41・12・15)と定義。ただし背信的悪意者は「第三者」に含まれない(最判昭和43・8・2)。
民法
不動産二重売買における背信的悪意者の排除
民法
物権変動と登記の対抗要件・第三者の範囲
民法
相続と登記・共同相続と登記の要否
この条文の練習問題を解く
動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。
動産に関する物権の譲渡
所有権の譲渡(設定・変更は含まれない)。
引渡し
現実の引渡し(182条1項)・簡易の引渡し(182条2項)・占有改定(183条)・指図による占有移転(184条)を含む。即時取得(192条)では占有改定不可とするのが判例。
この条文の練習問題を解く
同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。
2ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
3所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。
4この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
5前二項の規定は、占有権については、適用しない。
所有権と他物権の混同(1項本文)
同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときは他の物権は消滅する。同一権利者に併存する実益がないため。
第三者の権利の目的の例外(1項但書)
他の物権が第三者の権利の目的であるときは混同で消滅しない。例:抵当権が地上権上に存在する場合、地上権は存続。
他物権同士の混同(2項)
所有権以外の物権とそれを目的とする他の物権が同一人に帰属したときも同様に消滅・存続のルールが適用される。
占有権の例外(3項)
占有権には混同の規定を適用しない。占有は事実支配であり性質上他物権と両立可能。
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占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。
占有権の意義
自己のためにする意思をもって物を所持することにより成立する。所持と所持意思(自己のためにする意思)の2要素。
所持の意義
社会観念上、物が人の事実的支配下にあること。物理的握持に限らず観念的支配でも足りる。
自己のためにする意思
占有から生ずる事実上の利益を自己に帰属させる意思。所有意思(自主占有)である必要はなく、賃借人・受寄者でも肯定される。
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占有権は、代理人によって取得することができる。
代理占有(間接占有)
占有権は代理人によって取得することができる。本人は直接の所持なくして占有を取得する。
成立要件
①占有代理人の所持、②本人のためにする意思、③本人と占有代理人間の占有媒介関係(賃貸借・寄託等)。
効果
本人は占有訴権・取得時効等の占有上の利益を享受できる。
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占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。
2譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。
現実の引渡し(1項)
占有権の譲渡は物の現実の引渡しによって行う。物理的支配の現実的移転。
簡易の引渡し(2項)
譲受人またはその代理人が既に物を所持する場合、当事者の意思表示のみで占有権を譲渡できる。賃借人への売却等。
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代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
占有改定
代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する旨の意思表示で本人が占有権を取得する。譲渡人が引き続き所持する場合の観念的引渡し。
即時取得との関係(判例)
占有改定では即時取得は成立しない(最判昭35・2・11)。192条の「占有を始めた」とは現実の支配取得を要する。
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代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。
指図による占有移転
代理人によって占有する場合、本人がその代理人に対し以後第三者のために占有することを命じ、第三者がこれを承諾したときに第三者が占有権を取得する。
効果
倉庫保管中の動産売買等で利用される観念的引渡し。即時取得も成立しうる(判例)。
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権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。
他主占有から自主占有への転換
他主占有者が自己に占有させた者に対して所有の意思があることを表示する、または新権原により所有の意思をもって占有を始めることで自主占有に転換する。
新権原による転換
売買・贈与・相続による占有取得等。相続の場合、新たな事実的支配の開始と所有意思があれば新権原として認める(最判平8・11・12)。
取得時効との関係
162条1項の20年取得時効には所有の意思(自主占有)が必要。本条は転換の方法を定める。
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占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
2前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。
占有態様の推定(1項)
占有者は所有の意思をもって、善意・平穏・公然に占有するものと推定される。取得時効・即時取得を主張する者は所持の事実のみ立証すれば足りる。
占有継続の推定(2項)
前後の両時点で占有した証拠があるときは、その間継続して占有したと推定される。取得時効の継続要件の立証負担を軽減。
推定されない事項
無過失は推定されない(判例)。即時取得を主張する者は無過失を立証する必要がある。
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占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。
2前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。
占有の承継(1項)
占有者の承継人は自己の占有のみを主張するか、自己の占有に前主の占有を併せて主張するかを選択できる。
瑕疵の承継(2項)
前主の占有を併せて主張する場合は、その瑕疵(悪意・有過失等)も承継する。
相続の場合(判例)
相続による占有承継にも187条が適用される(最判昭37・5・18)。相続人は被相続人の占有を承継したと主張でき、瑕疵も承継する。
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占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
占有物上の権利の適法性推定
占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定される。占有という事実状態の保護。
推定の効果
本権を争う者が本権の不存在を立証しなければならない。動産取引の安全に寄与する。
不動産への適用制限
不動産では登記が公示手段なので、本条の推定力は登記による推定(民177条・不登法)に劣後する場面がある。
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善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
2善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。
善意占有者の果実取得(1項)
善意の占有者は占有物から生ずる果実を取得する。本権者からの返還請求に対し果実を保持できる。
本権の訴えで敗訴した場合(2項)
善意占有者が本権の訴えで敗訴したときは、訴え提起の時から悪意の占有者とみなされる。提起時以降の果実は返還義務を負う。
善意の意義
果実収取権を含む本権があると信じていたこと。無過失は不要(189条)。
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悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
2前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。
悪意占有者の果実返還義務(1項)
悪意の占有者は、収取した果実を返還し、既に消費し・過失により損傷し・収取を怠った果実の代価を償還しなければならない。
強迫・隠匿による占有(2項)
強迫・隠匿により占有を取得した者は、善意であっても悪意の占有者とみなされ1項の義務を負う。
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占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。
2ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。
占有物の滅失・損傷の責任
占有者の責めに帰すべき事由で占有物が滅失・損傷したときは、回復者に対して損害賠償義務を負う。
悪意占有者・他主占有者
全額の損害賠償責任。
善意自主占有者の特則(但書)
善意の自主占有者は現に利益を受ける限度で賠償義務を負う。所有者として行動した者の保護。
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取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
取引行為
売買・贈与・代物弁済等。相続による承継は含まれない。
平穏・公然・善意・無過失の占有取得
186条で平穏公然善意は推定。無過失は推定されないが188条により占有者が権利者と推定されるため、譲渡人を権利者と信じたことに過失がなければ足りる(最判昭和41・6・9)。
動産の占有取得
現実の引渡し・簡易の引渡し・指図による占有移転は可。占有改定では即時取得不成立(最判昭和35・2・11)。
民法
動産の即時取得の要件と盗品・遺失物の例外
民法
即時取得と無過失の判断基準
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前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。
盗品又は遺失物であること
占有者の意思に基づかずに占有を失った物。詐取された物・横領された物は含まれない。
盗難・遺失の時から2年以内
除斥期間と解される。
占有者に対する回復請求
占有者は即時取得者であっても返還義務を負う。ただし194条により有償取得の場合は対価弁償が条件。
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占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
代価弁償による回復
盗品・遺失物が競売・公の市場・同種物を販売する商人から善意で買い受けられた場合、被害者・遺失主は代価を弁償しなければ回復できない。
趣旨
市場の取引安全と被害者保護の調整。占有者の信頼を一定範囲で保護する。
代価弁償までの果実取得(判例)
代価弁償を受けるまで、占有者は使用利益・果実を取得できる(最判平12・6・27)。
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家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。
動物の占有による権利取得
家畜以外の動物で他人の飼育に係るものを占有する者が、占有開始時に善意であり、占有開始から1か月内に飼主から回復請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。
趣旨
迷い動物の所有関係の早期確定。短期間で権利関係を安定させる。
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占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。
2ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
3占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。
4ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
必要費(1項)
占有者は占有物の保存に要した必要費を回復者から償還を受けることができる。ただし果実を取得した場合は通常の必要費は占有者負担。
有益費(2項本文)
占有物の改良に支出した有益費は、価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択により支出額または増価額の償還を請求できる。
悪意占有者への期限の許与(2項但書)
悪意の占有者については、裁判所は回復者の請求により相当の期限を許与できる。
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占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。
2他人のために占有をする者も、同様とする。
占有訴権の主体
占有者は占有訴権(占有保持・占有保全・占有回収の訴え)を提起できる。代理占有者も提起可能。
代理占有における本人の訴権
他人のために占有する者(代理占有者)も占有訴権を行使できる。本人も別途行使可能。
趣旨
事実的支配状態の保護による私力救済の禁止と社会秩序の維持。本権の有無を問わない。
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占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
占有保持の訴え
占有者がその占有を妨害されたとき、占有保持の訴えにより妨害の停止および損害賠償を請求できる。
出訴期間
妨害の存する間または妨害消滅後1年以内(201条1項)。
本権の主張禁止(202条)
占有の訴えに対して本権による防御は許されない。
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10前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。
協議合意による完成猶予(1項)
権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次のいずれか早い時まで時効は完成しない。①合意時から1年経過、②合意で定めた協議期間(1年未満)経過、③一方からの協議続行拒絶通知時から6箇月経過。
再度合意の効力と上限(2項)
完成猶予中の再度合意も有効だが、合計5年を超えることができない。
催告との関係(3項)
催告による完成猶予中の本条合意、本条完成猶予中の催告は、いずれも完成猶予の効力を生じない(相互排他)。
電磁的記録(4項・5項)
電磁的記録による合意・通知は書面によるものとみなす。
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