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組合員の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができない。
規律
組合員の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができない。
趣旨
組合財産の独立性保護。組合員個人の債権者は組合員の個人財産にのみ強制執行でき、組合財産には及ばない構造。組合債権者(675条)と組合員個人債権者の責任財産分離を法定。
二段階の責任財産分離
675条:組合債権者→組合財産+組合員個人財産。本条:組合員個人債権者→組合員個人財産のみ(組合財産不可)。組合事業の経済的基盤を組合員個人の信用リスクから保護する非対称構造。
持分差押の限界
組合員個人債権者は組合員の組合員地位を差押え可だが、組合財産自体には及ばない。脱退時の持分払戻請求権(681条)が差押対象となるのが実務的処理。
この条文の練習問題を解く
組合員は、その全員の同意によって、又は組合契約の定めるところにより、新たに組合員を加入させることができる。
2前項の規定により組合の成立後に加入した組合員は、その加入前に生じた組合の債務については、これを弁済する責任を負わない。
組合員の加入(1項)(2017改正で新設)
組合員は、全員の同意又は組合契約の定めるところにより、新たに組合員を加入させることができる。組合員追加のメカニズムを明文化。
立法趣旨
旧法には組合員加入の明文がなく、組合契約による調整に委ねられていた。改正で原則(全員同意)と特約による緩和(組合契約の定め)の枠組みを明示し、組合関係の柔軟な拡張を可能にする。
加入後の組合員の責任(2項)
加入前に生じた組合の債務については弁済責任を負わない。新加入組合員は組合の過去債務を承継しない原則を明文化。組合員交代を促進する重要規定。
脱退組合員との対比(680_2)
脱退組合員は脱退前に生じた組合債務について従前の責任を負う(680_2)。加入組合員と脱退組合員で過去債務の負担を非対称に処理することで、組合員の流動性と債権者保護を両立。
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組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。
2ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。
3組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。
規律
存続期間定めなき組合又は組合員終身の組合では各組合員いつでも脱退可。ただしやむを得ない事由なき限り組合に不利な時期に脱退不可(1項)。存続期間定めある組合でもやむを得ない事由あれば脱退可(2項)。
趣旨
組合員の脱退自由と組合保護の調整。組合員の自由を基本としつつ、組合事業の継続性を考慮した時期制限・事由制限を法定。組合の人的結合性を反映。
1項ただし書・時期制限
「組合に不利な時期」(事業の重要局面・繁忙期等)の脱退は禁止。組合事業への打撃を最小化。やむを得ない事由(重病等)あれば時期制限を超えて脱退可。
2項・期間内脱退
存続期間定めある組合は原則期間拘束だが、やむを得ない事由(事業継続不能・重大対立等)で脱退可。雇用628条と並行的な強い拘束緩和規定。
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前条の場合のほか、組合員は、次に掲げる事由によって脱退する。
2死亡
3破産手続開始の決定を受けたこと。
4後見開始の審判を受けたこと。
5除名
規律
678条の場合のほか、組合員は次の事由で脱退する。①死亡、②破産手続開始決定、③後見開始審判、④除名。
趣旨
法定脱退事由の規律。組合員の身分的・財産的変動で組合員地位を維持できない場合の自動脱退を法定。組合の人的信頼関係の維持と組合員地位の整理を両立。
1号・死亡
組合員死亡で当然脱退。組合員地位は相続されないのが原則(合意で相続可とする組合契約は許容)。653条委任終了と並行的処理。
2号〜4号
破産・後見開始は財産管理・事務処理能力喪失で組合員適格喪失。除名(680条)は他組合員の意思による強制脱退。組合関係の維持困難時の法定整理。
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組合員の除名は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってすることができる。
2ただし、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもってその組合員に対抗することができない。
規律
組合員の除名は、正当事由ある場合に限り、他の組合員の一致でできる。ただし除名通知なき限り当該組合員に対抗できない。
趣旨
組合員の強制排除規律。組合の人的信頼関係を著しく害する組合員を排除する手段だが、組合員の地位剥奪は重大効果のため正当事由+全員一致の高い要件と通知要件を法定。
正当事由
①重大な業務違反、②反復継続的な出資不履行、③組合員間信頼関係の破壊行為、④違法行為等。単なる組合員間の意見対立は不該当。
全員一致+通知
除名対象組合員を除く他組合員全員の一致(高い要件で濫用防止)と通知(対抗要件)の双方を要件とする厳格構造。通知なき除名は当該組合員に対抗できない。
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脱退した組合員は、その脱退前に生じた組合の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。
2この場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、脱退した組合員は、組合に担保を供させ、又は組合に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
3脱退した組合員は、前項に規定する組合の債務を弁済したときは、組合に対して求償権を有する。
脱退組合員の従前責任(1項本文)(2017改正で新設)
脱退組合員は、脱退前に生じた組合債務について、従前の責任範囲内で弁済責任を負う。脱退後も過去債務責任が継続する原則を明文化。
脱退組合員の保護策(1項後段)
債権者が全部の弁済を受けない間、脱退組合員は組合に担保を供させ、又は自己に免責を得させるよう請求できる。長期間にわたり脱退組合員が責任を負い続けるリスクを限定する救済規定。
求償権(2項)
脱退組合員が組合債務を弁済したときは組合に対し求償権を有する。脱退後の弁済負担を組合に最終的に転嫁できる構造。
677_2との対比
新加入組合員は過去債務を承継しない(677_2第2項)一方、脱退組合員は過去債務を負担し続ける。組合員交代における債権者保護と組合員保護のバランス。
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脱退した組合員と他の組合員との間の計算は、脱退の時における組合財産の状況に従ってしなければならない。
2脱退した組合員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。
3脱退の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。
規律
脱退組合員と他組合員間の計算は脱退時の組合財産状況に従う(1項)。脱退組合員の持分は出資種類を問わず金銭払戻し可(2項)。脱退時未完了事項は完了後計算可(3項)。
趣旨
脱退組合員と残存組合の財産清算規律。脱退時点の組合財産価値を基準とすることで、その後の組合事業の損益を脱退組合員から切り離し、双方の利害を時点固定で確定。
1項・脱退時清算
脱退組合員の持分価値は脱退時の組合財産で確定。その後の組合事業の損益は脱退組合員に影響しない。組合の事業継続性と脱退組合員の早期離脱を両立。
2項・金銭払戻し
現物出資でも金銭で払戻可。組合事業継続のため現物の現物返還を強制せず、金銭代替を許容。組合の事業基盤保護優位の構造。
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組合は、次に掲げる事由によって解散する。
2組合の目的である事業の成功又はその成功の不能
3組合契約で定めた存続期間の満了
4組合契約で定めた解散の事由の発生
5総組合員の同意
規律
組合は次の事由で解散する。①組合目的の事業の成功又は成功の不能、②組合契約で定めた存続期間の満了、③組合契約で定めた解散事由の発生、④総組合員の同意。
趣旨
組合解散事由の法定。組合員脱退(678-680条)が個別組合員の離脱を扱うのに対し、本条は組合全体の終了を規律。事業目的との関係・契約上の定め・全員同意の3カテゴリで網羅。
1号・目的達成・達成不能
事業成功(達成)と成功不能(達成困難)はいずれも組合の存在意義喪失。判断は客観的事情と組合員の認識を総合する。
2号・3号・4号
契約上の解散事由は当事者意思の尊重。総組合員同意は組合契約の自由処分原則の表れ。83条解散請求(683条)は法定の追加事由として補完。
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やむを得ない事由があるときは、各組合員は、組合の解散を請求することができる。
規律
やむを得ない事由があるときは、各組合員は組合の解散を請求することができる。
趣旨
解散請求権による組合員救済規定。組合契約は通常解除できない(667_2)が、継続困難な事由がある場合は解散請求で組合関係から離脱可能とする最後の手段。
やむを得ない事由
組合員間の重大な信頼破壊・経営方針の根本対立・特定組合員の重大違反等。判例は厳格に解釈し、単なる収益悪化や個別組合員の不満は不該当。
解散の効果
解散請求が認められれば組合は解散し清算手続(685条以下)へ移行。脱退(678条)は当該組合員のみ離脱だが、解散は組合全体の終了で全組合員に影響する点で重大効果。
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第六百二十条の規定は、組合契約について準用する。
賃貸借期間特則の組合への準用
620条(賃貸借の解除等の不遡及効)の規定は、組合契約について準用する。組合関係の解消・脱退の効力を将来効として処理する規定。
620条の内容
620条は賃貸借の解除等の効力を将来効に限定し、過去の組合関係を覆滅させないルール。組合は継続的契約であり、解除・脱退の遡及効は組合員間・組合と第三者間の関係を著しく不安定化させるため、将来効化する必要性が共通する。
立法趣旨
組合関係は継続的・人的結合関係であり、賃貸借と同様の継続性を持つ。両者の解消ルールを共通化することで継続的契約関係の安定性を確保する。
適用場面
組合解散(682条)・組合員脱退(678条)等の局面で、これらの効力を将来効として処理し、過去の取引関係や組合員間の権利義務関係を維持する。
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組合が解散したときは、清算は、総組合員が共同して、又はその選任した清算人がこれをする。
2清算人の選任は、組合員の過半数で決する。
規律
組合が解散したときは、清算は総組合員共同又は選任清算人が行う(1項)。清算人選任は組合員の過半数で決する(2項)。
趣旨
解散後の清算手続規律。組合財産・組合債務の整理を法定し、組合員の有限関与(全員共同)と専門委任(清算人)の選択肢を提供。組合の整然たる終了を確保。
清算の内容
①組合債権の取立て、②組合債務の弁済、③残余財産の組合員への分配。会社清算(会社法475条以下)と並行的構造で、組合の場合は本条以下が簡易的に規律。
選任要件
清算人選任は過半数で足り、業務執行者選任(670条)と並行。清算は事業継続不要のため意思決定要件を緩和する政策判断。
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第六百七十条第三項から第五項まで並びに第六百七十条の二第二項及び第三項の規定は、清算人について準用する。
業務執行組合員規定の清算人への準用
670条3項〜5項(業務執行組合員の権限・代理権)並びに670_2条2項・3項(業務執行の決定方法)の規定は、清算人について準用する。
準用の効果
清算人は業務執行組合員と同様の権限と方法で清算業務を遂行する。複数清算人の場合は過半数で決し、清算人の対外的代理権が確保される。
立法趣旨
組合の清算は組合の業務遂行の延長線上にあり、業務執行ルールの援用が合理的。新たな手続規定を作らず既存の業務執行ルールを準用することで条文を簡素化する。
清算人の中心的義務
688条で定める清算人の職務(現務結了・債権取立・債務弁済・残余財産分配)について、本条準用ルールに従って遂行する。
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第六百七十二条の規定は、組合契約の定めるところにより組合員の中から清算人を選任した場合について準用する。
業務執行組合員規定の準用
672条の規定は、組合契約の定めるところにより組合員の中から清算人を選任した場合について準用する。
672条の内容
業務執行組合員(組合契約により業務執行を委ねられた組合員)の解任・辞任に関する規定。組合員清算人にも同様のルールを適用することで、清算人の地位の安定性と組合員意思による解任を両立。
立法趣旨
組合員から選任された清算人は業務執行組合員と同質の地位を持つため、解任・辞任のルールを共通化することが合理的。清算プロセスを業務執行の延長として一貫的に規律する。
686条との関係
686条は清算人一般に業務執行組合員の規定を準用するが、本条は組合員清算人に特化した規定。組合員清算人は組合員としての性質と清算人としての性質を併せ持つため、より広い準用が必要となる。
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清算人の職務は、次のとおりとする。
2現務の結了
3債権の取立て及び債務の弁済
4残余財産の引渡し
5清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
6残余財産は、各組合員の出資の価額に応じて分割する。
清算人の職務(1項)
清算人の職務は①現務の結了、②債権の取立て及び債務の弁済、③残余財産の引渡し。組合解散後の清算プロセスを順序立てて規律。
職務遂行のための広範な権限(2項)
清算人は前項各号の職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。職務遂行に必要な裁量権を清算人に与え、清算業務を円滑化。
残余財産の分配(3項)
残余財産は各組合員の出資価額に応じて分割する。組合員間の公平を確保する分配ルール。出資価額は組合契約成立時の出資内容(金銭・物・労務)を基準とする。
会社法との比較
会社法481条以下の会社清算と類似する構造。組合は法人格を持たないが、清算プロセスは法人と同型化されており、私法上の財産清算の標準モデルとして機能。
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終身定期金契約は、当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる。
規律
終身定期金契約は、当事者の一方が自己・相手方又は第三者の死亡まで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することで効力を生ずる。
趣旨
終身定期金契約の定義規定。生存期間に連動する定期給付契約として、養老・扶養・退職後生計等の機能を持つ。現代では年金保険・個人年金がこの機能を一部代替。
三者構造の可能性
①給付者、②受給者、③死亡基準者の三者は同一人でも別人でも可。例: 親が子の生涯にわたり給付を約束(親=給付者、子=受給者+死亡基準者)など多様な構成可能。
現代的意義
民法典の伝統的契約類型だが現代では生命保険・公的年金等が機能代替。実例は稀だが、扶養契約・養老契約等の私的合意で本条以下が機能する場面が残る。
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終身定期金は、日割りで計算する。
規律
終身定期金は、日割りで計算する。
趣旨
終身定期金の精算基準。死亡が支払期間中に生じた場合の最終回給付の按分計算を日割で確定。当事者間の経済的利害を明確化し、紛争を防止する技術的規定。
日割計算の意義
月給制等で定期支払がある場合、死亡日までの日割計算で最終給付を確定。例: 月初支払いの月給で月20日に死亡なら、20日分の日割給付が最終支払。
他規定との関係
雇用624条1項(労働なくして報酬なし)等と異なり、終身定期金は給付者の対価性ある給付ではないが、日割計算で公平な清算を実現。
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終身定期金債務者が終身定期金の元本を受領した場合において、その終身定期金の給付を怠り、又はその他の義務を履行しないときは、相手方は、元本の返還を請求することができる。
2この場合において、相手方は、既に受け取った終身定期金の中からその元本の利息を控除した残額を終身定期金債務者に返還しなければならない。
3前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。
規律
終身定期金債務者が元本を受領した場合に給付を怠り又は他の義務を履行しないときは、相手方は元本返還請求可(1項前段)。相手方は既受領分から元本利息を控除した残額を返還する(1項後段)。1項は損害賠償請求を妨げない(2項)。
趣旨
終身定期金の特殊解除規律。一般契約解除(541条)と異なり、元本一括返還+利息控除残額返還で原状回復を行う独自構造。
元本受領要件
終身定期金契約は元本受領(一括金)と定期給付の交換構造を持つことが多い。元本未受領なら通常解除で処理。元本受領があれば本条で原状回復的清算。
利息控除構造
債権者は元本返還を受けるが、これまで受け取った定期金から元本相当の運用利息を控除した「過剰受領分」を返還。経済的均衡を保つ精緻な清算規律。
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第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。
規律
533条の規定は、前条(691条)の場合について準用する。
趣旨
終身定期金解除における同時履行関係。691条の元本返還と既受領分控除残額返還は対価関係にあるため、同時履行抗弁(533条)を準用して引換給付を確保。
準用の意義
債権者は元本返還を受けるまで控除残額返還を拒否でき、債務者は控除残額の返還を受けるまで元本返還を拒否できる構造。双方の履行確保。
実務的意義
終身定期金は実例少ないが、本条は契約解除一般の原状回復における同時履行構造の例として理論的に重要。573条原始的不能後の引換給付関係と類似。
この条文の練習問題を解く
終身定期金債務者の責めに帰すべき事由によって第六百八十九条に規定する死亡が生じたときは、裁判所は、終身定期金債権者又はその相続人の請求により、終身定期金債権が相当の期間存続することを宣告することができる。
2前項の規定は、第六百九十一条の権利の行使を妨げない。
規律
終身定期金債務者の責めに帰すべき事由で689条の死亡が生じたときは、裁判所は終身定期金債権者又は相続人の請求により、債権が相当期間存続することを宣告できる(1項)。1項は691条の権利行使を妨げない(2項)。
趣旨
債務者の有責死亡誘発に対する制裁・救済規律。終身定期金の存続期間が死亡で短縮される構造を悪用した加害を防止し、債権者側の経済的損失を裁判所の宣告で塡補する独自構造。
想定事例
終身定期金債務者が死亡基準者を傷害・殺害して給付義務から逃れる場合等。極端な事例だが、本条は債務者の有責死亡誘発を抑止する政策的規定。
裁判所宣告の効果
裁判所が「相当期間」を定めて債権を存続させる形成的判決。当事者の合意でなく裁判所が判断する点で異例。691条の解除権行使と並行可能(2項)で多重救済構造。
この条文の練習問題を解く
この節の規定は、終身定期金の遺贈について準用する。
終身定期金の遺贈準用
終身定期金の節(689-694条)の規定は終身定期金の遺贈に準用。遺贈による終身定期金設定の手当て規定。
この条文の練習問題を解く
和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
和解の意義
当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することにより効力を生ずる契約。
成立要件
①当事者間の争い、②相互の譲歩(互譲)、③争いを終了させる合意。
効果(696条)
和解により当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められたときは、その当事者は和解によって権利を取得し、相手方はその権利を失う。確定効。
この条文の練習問題を解く
当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、又は相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証又は相手方がこれを有していた旨の確証が得られたときは、その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、又は消滅したものとする。
規律
和解で当事者一方が権利を有するものと認められ又は相手方がこれを有しないものと認められた場合に、その当事者一方が従来権利を有していなかった旨の確証又は相手方が有していた旨の確証が得られたときは、権利は和解により当事者一方に移転し又は消滅したものとする。
趣旨
和解の確定効・創設的効力。和解で当事者間に新たに認められた権利関係を、真実が後で判明しても覆さない構造。紛争終結のための法律関係の安定化機能を法定。
確定効の意義
和解後に「実は反対が真実だった」と確証が出ても、和解で認められた権利関係はそのまま維持。本条がなければ和解の意味(紛争終結)が失われる。判例は本条を「和解の創設的効力」と呼ぶ。
争いの目的事項に限定
和解で「争われた事項」のみ確定効。和解の前提とされた事項(例: 契約の有効性)が後で否定された場合は錯誤(95条)取消の余地あり(最判昭33.6.14等)。本条と95条の境界が頻出論点。
この条文の練習問題を解く
義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
2管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。
事務管理の意義(1項)
義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い最も本人の利益に適合する方法によってその事務の管理をしなければならない。
本人意思の尊重(2項)
管理者は本人の意思を知っているとき、または推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。
性質
法律上の義務なくして他人の事務に介入する行為。違法性阻却+費用償還を認める制度。準法律行為的事実。
この条文の練習問題を解く
管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
緊急事務管理
管理者は本人の身体・名誉または財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意または重大な過失がなければその管理によって生じた損害を賠償する責任を負わない。
責任軽減の趣旨
緊急時の救助行為に対する社会的奨励。軽過失免責により利他的行為を促進する。
この条文の練習問題を解く
管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。
2ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。
管理者の通知義務
管理者は事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。
通知不要の例外
本人が既に知っているときは通知義務を免れる。
趣旨
本人の自己決定権の尊重。事務管理開始の事実を本人に知らせて事務処理の継続・中止の判断機会を与える。
この条文の練習問題を解く
管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。
2ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。
管理継続義務(本文)
管理者は本人または相続人もしくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで事務管理を継続しなければならない。
継続停止事由(但書)
事務管理の継続が本人の意思に反し、または本人に不利であることが明らかであるときは継続してはならない。
違反の効果
正当事由なく中断した場合は債務不履行類似の損害賠償責任。本人意思反継続も同様に責任を生ずる。
この条文の練習問題を解く
第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。
委任規定の準用
645条(報告義務)・646条(受取物引渡義務)・647条(金銭消費の責任)の規定は事務管理について準用する。
準用の意義
管理者は事務処理状況の報告・受取物の引渡し・金銭流用の利息および損害賠償義務を負う。事務管理を受任者類似に扱う技術。
この条文の練習問題を解く
管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
2第六百五十条第二項の規定は、管理者が本人のために有益な債務を負担した場合について準用する。
3管理者が本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ、前二項の規定を適用する。
費用償還請求(1項)
管理者は本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対しその償還を請求できる。
代弁済請求(2項)
管理者が本人のために有益な債務を負担した場合は650条2項の規定を準用し、本人に対し弁済を請求できる。
本人意思反管理の制限(3項)
管理者が本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ費用償還を請求できる。
この条文の練習問題を解く
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
成立要件
①他人の財産または労務によって利益を受け、②そのために他人に損失を及ぼし、③受益と損失の間に因果関係があり、④受益に法律上の原因がないこと。
返還範囲(現存利益)
善意の受益者はその利益の存する限度において返還義務を負う。利得が消滅していれば返還不要だが、生活費等への支出は現存利益として残存推定(判例)。
性質
公平の理念に基づく財産的調整制度。契約・不法行為と並ぶ債権発生原因。
この条文の練習問題を解く
悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。
2この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
悪意受益者の返還範囲
悪意の受益者はその受けた利益に利息を付して返還しなければならない。さらに損害があるときはその賠償の責任を負う。
悪意の意義
受益に法律上の原因がないことを知っていたこと。立証責任は返還請求権者(損失者)側にある。
703条との対比
善意受益者は現存利益のみ返還、悪意受益者は全額+利息+損害賠償と段階的に責任が加重される。
この条文の練習問題を解く
債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
非債弁済
債務の弁済として給付をした者はその時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
趣旨
債務がないことを知りながら弁済する行為は贈与または和解的意図と評価される。任意性の自己責任。
強迫・錯誤等の例外
弁済が強迫・錯誤等により行われた場合は本条適用なく返還請求可能(判例)。
この条文の練習問題を解く
債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
2ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない。
期限前弁済(本文)
債務者は弁済期にない債務の弁済として給付をしたときはその給付したものの返還を請求できない。
錯誤による弁済の例外(但書)
債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者はこれによって得た利益を返還しなければならない。期限利益(中間利息相当)の返還。
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債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない。
2前項の規定は、弁済をした者から債務者に対する求償権の行使を妨げない。
他人債務の弁済(1項)
債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合に、債権者が善意で証書を滅失させ・損傷し・担保を放棄し・または時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は返還の請求ができない。
求償権(2項)
1項の規定により返還請求できない弁済者は、債務者に対して求償権を行使することができる。
趣旨
債権者の取引安全と弁済者の地位調整。弁済者は債務者求償によって救済される。
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不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。
2ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
不法原因給付(本文)
不法の原因のために給付をした者はその給付したものの返還を請求することができない。
受益者のみ不法の例外(但書)
不法の原因が受益者についてのみ存したときは返還請求できる。
「不法」の意義
公序良俗(90条)違反を意味する(最判昭37・3・8)。違法の中でも特に強度の反社会性が必要。
効果(判例)
返還請求権の遮断のみならず、反射的に給付物の所有権も受益者に確定的に帰属する(最大判昭45・10・21)。
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故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
故意又は過失
過失は予見可能性を前提とした結果回避義務違反(判例・通説)。判断基準は合理人標準の客観的過失(客観的過失論が通説)。
権利又は法律上保護される利益の侵害
違法性要素を含む被侵害利益。生命・身体・所有権のほか営業権・人格的利益等も保護対象。
損害の発生
財産的損害(積極損害・消極損害)と精神的損害。差額説と損害事実説の対立あり。
因果関係
事実的因果関係(あれなければこれなし)と保護範囲(相当因果関係説)。判例は損害賠償の範囲につき416条類推適用説を採用(富喜丸事件:大連判大正15・5・22)。
責任能力(712条・713条)
未成年者は事理弁識能力(おおむね12歳前後)が必要。精神上の障害により責任無能力者の場合は監督義務者責任(714条)。
民法
不法行為の成立要件と相当因果関係の範囲
民法
共同不法行為(719条)と各自の責任
民法
過失の判断基準(予見可能性・結果回避義務)と損害賠償の範囲
民法
不法行為と債務不履行の競合・消滅時効(724条)
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他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
身体・自由・名誉侵害又は財産権侵害
709条要件を満たすこと。
財産以外の損害
精神的損害(慰謝料)。
賠償義務
財産的損害賠償と並んで慰謝料賠償義務を負う。
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他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
他人の生命の侵害
死亡結果。
被害者の父母・配偶者・子
本条列挙者。判例は内縁配偶者・兄弟姉妹にも類推適用を認める場合あり(最判昭和49・12・17)。
固有の慰謝料請求権
被害者本人の慰謝料請求権(709条・710条による相続)とは別個の固有請求権。
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未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
未成年者の加害行為
709条要件は満たす行為。
責任弁識能力(事理弁識能力)
自己の行為の責任を弁識する能力。判例はおおむね12歳前後を目安(最判昭和31・11・20他)。
効果
弁識能力なき場合は本人免責。714条で監督義務者が責任を負う可能性。
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精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。
2ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。
精神上の障害により責任弁識能力を欠く状態
心神喪失状態等。
故意又は過失で一時的にその状態を招来した場合の例外(但書)
原因において自由な行為。本人責任を免れない。
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前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
2ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
3監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。
責任無能力者の不法行為
712条・713条により本人免責の場合。
監督義務者又は代理監督者
親権者・後見人・施設長等。事実上の監督者も含む場合あり(最判平成27・4・9JR東海事件)。
監督義務違反推定
中間責任。監督者は監督義務を怠らなかったこと又は怠っても損害が生じたであろうことの証明により免責。
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ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
2ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
3使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
4前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
ある事業のために他人を使用する関係(使用関係)
実質的指揮監督関係。雇用契約に限らず請負・委任・事実上の使用関係を含む。
被用者の事業執行についての不法行為
外形標準説(最判昭和40・11・30)。客観的外形に照らし事業執行と評価される行為。
免責事由(1項但書)
選任監督に相当の注意・注意してもなお損害が生じる場合。判例上ほぼ認められない。
代理監督者の責任(2項)・求償(3項)
現場監督者も使用者と並んで責任。使用者は被用者に対し信義則上相当と認められる限度で求償可(最判昭和51・7・8)。
民法
使用者責任の要件と「事業の執行について」の外形標準説
民法
使用者責任の免責要件と被用者への求償(715条3項)
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注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。
2ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。
注文者・請負人の関係
請負契約に基づく関係。
注文者の原則免責(本文)
請負人の独立性ゆえ注文者は責任を負わない。
注文又は指図に過失(但書)
注文者の注文・指図に過失あるときは責任を負う。
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土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。
2ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
3前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
4前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
土地の工作物
建物・道路・橋等。土地に接着して人工的に作出された物。
設置又は保存の瑕疵
通常有すべき安全性を欠くこと。客観的瑕疵概念(判例)。
占有者の責任(1項本文)
第一次的責任。中間責任で免責立証可能。
所有者の責任(1項但書)
占有者免責のとき所有者が無過失責任を負う。
竹木の栽植・支持の瑕疵(2項)
同様に占有者・所有者責任。
求償権(3項)
他に責任ある者があるときは求償可能。
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動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。
2ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
3占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。
動物の占有者・保管者
現実の管理者。
動物が加えた損害
動物の動作による加害。
相当の注意による免責(但書)
動物の種類・性質に従い相当の注意をもって管理した場合は免責(中間責任)。
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数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
2共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
3行為者を教唆した者及び幇ほう助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。
数人の共同不法行為(1項前段)
数人が共同して他人に損害を加えたとき。判例は客観的関連共同性で足りるとする(最判昭和43・4・23山王川事件)。
加害者不明の共同行為(1項後段)
共同行為者中いずれが損害を加えたか不明のとき全員連帯責任。因果関係の証明軽減。
教唆者・幇助者(2項)
共同行為者とみなす。
効果:連帯責任
各加害者は損害全額につき連帯して責任を負う。内部求償は寄与度割合。
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他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。
2ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
3前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。
他人の不法行為に対する正当防衛(1項)
他人の不法行為に対し自己又は第三者の権利等を防衛するためやむを得ずした加害行為。違法性阻却。
緊急避難(2項)
他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合。違法性阻却。
効果:賠償責任の免除
ただし被害者から不法行為者に対する求償権は妨げない(1項後段)。
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胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。
胎児の損害賠償請求権
胎児は損害賠償の請求権についてはすでに生まれたものとみなす。
趣旨
胎児の権利能力の例外的擬制。出生擬制説(判例・通説)によれば、現に出生した場合に遡って権利能力を取得する。
判例(大判昭7・10・6阪神電鉄事件)
停止条件説。胎児中は権利能力なく、出生により遡及的に取得する。胎児中の母親による代理行為は不可。
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第四百十七条及び第四百十七条の二の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
2被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
賠償方法(1項・準用417条)
金銭賠償が原則。
被害者の過失(2項)
債務不履行(418条)と異なり任意的考慮。事理弁識能力で足り責任能力不要(最判昭和39・6・24)。
被害者側の過失
判例は身分上・生活上一体の関係にある第三者の過失を被害者の過失として斟酌(最判昭和51・3・25)。
民法
過失相殺の要件(被害者の過失)と損害額の算定
民法
素因減額・好意同乗と過失相殺の類推適用
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他人の名誉を毀き損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
名誉毀損の特別救済
他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は被害者の請求により損害賠償に代えてまたは損害賠償とともに名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
「適当な処分」の典型
謝罪広告・訂正記事掲載・名誉回復声明等。判例は新聞紙上の謝罪広告強制を合憲とする(最大判昭31・7・4)。
金銭賠償原則の特則
417条の金銭賠償原則の例外として、原状回復的救済を認める規定。
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不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
2被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
3不法行為の時から二十年間行使しないとき。
短期消滅時効(1号)
被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年。
長期消滅時効(2号)
不法行為の時から20年。改正前は除斥期間説(最判平成元・12・21)だったが、改正法で消滅時効と明記。
人の生命・身体侵害の特則(724条の2)
短期は5年。人格的法益保護の強化。
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