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第七百六十九条の規定は、離縁について準用する。
規律
769条(離婚による財産取得者の権利義務承継)の規定を離縁に準用する。
769条準用の意義
離縁により復氏する者が、縁組中に養親の祖先の祭祀財産(系譜・祭具・墳墓)の承継者として指定されていた場合、当事者協議で承継者を定める。協議不調のとき家裁が定める。
趣旨
婚姻離婚の769条と同構造。身分関係解消時の祭祀財産の帰属を整理し、養親家系の祭祀継続性を保護。
適用場面
養子が897条(祭祀承継)により養親家の祭祀承継者となった後に離縁した場合、養子は祭祀を持ち去ることができず、新たに承継者を定める。
この条文の練習問題を解く
家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。
2前項に規定する請求をするには、第七百九十四条又は第七百九十八条の許可を得ることを要しない。
特別養子縁組の意義(1項)
家庭裁判所は次条から817条の7までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(特別養子縁組)を成立させることができる。
成立要件の概要
①養親夫婦による共同縁組(817条の3)、②養親25歳以上(817条の4)、③養子15歳未満(817条の5)、④父母の同意(817条の6)、⑤特別の必要性(817条の7)、⑥6か月以上の試験養育(817条の8)。
効果
実方の親族関係が原則として終了。普通養子と異なり実親との法的関係が断絶する点が特徴(817_9)。
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養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。
2夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。
3ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。
養親の夫婦共同要件(1項)
養親となる者は配偶者のある者でなければならない。特別養子は完全な親子関係創設のため夫婦そろっての養育を要求。
夫婦共同縁組(2項)
夫婦の一方は他の一方が養親とならないときは養親となることができない。ただし夫婦の一方が他の一方の嫡出子の養親となる場合は単独可。
普通養子との差異
普通養子は単身者も養親になれるが、特別養子は夫婦に限定。子の福祉重視の制度設計。
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二十五歳に達しない者は、養親となることができない。
2ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。
規律
25歳未満の者は特別養子の養親となれない。ただし養親となる夫婦の一方が25歳以上であれば、他方は20歳以上でも可。
趣旨
特別養子は実親子関係を断絶させる強い効果を持つため、養親の人格的成熟と養育能力を担保する。普通養子(792条・20歳以上)より厳格な年齢要件。
夫婦共同縁組との関連
特別養子は夫婦共同縁組が原則(817_3)。夫婦の一方25歳以上+他方20歳以上の組合せでも成立可能とすることで、若年夫婦の特別養子縁組を一定範囲で許容。
違反の効果
本条違反の特別養子縁組は家庭裁判所の審判段階で不成立。普通養子と異なり届出後の取消制度はない(審判前置主義)。
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第八百十七条の二に規定する請求の時に十五歳に達している者は、養子となることができない。
2特別養子縁組が成立するまでに十八歳に達した者についても、同様とする。
3前項前段の規定は、養子となる者が十五歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、十五歳に達するまでに第八百十七条の二に規定する請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない。
4養子となる者が十五歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。
規律
817_2の請求時に15歳以上の者は特別養子になれず、特別養子縁組成立までに18歳に達した者も同様(1項)。15歳到達前から養親監護下にあり、15歳までに請求しなかったやむを得ない事由があるときは1項前段不適用(2項)。15歳以上の場合は本人の同意が必要(3項)。
趣旨
特別養子は子の利益のための制度であり、自我形成期前(原則15歳未満)での新親子関係構築を要請。2019年改正で上限を6歳から15歳に引き上げ、保護範囲を拡大。
2項の柔軟化
監護開始が15歳未満なら、請求遅延にやむを得ない事由がある場合に18歳未満まで請求可能。事実上の親子関係を法的に追認する制度趣旨。
3項の本人同意
15歳以上の者には自身の家族関係について意思決定権を保障。意思能力ある本人の積極的同意を要件化。
2019年改正の意義
改正前は6歳未満(特例で8歳未満)と狭く、児童養護施設等の年長児童が特別養子になれない問題があった。社会的養護の選択肢を広げる立法。
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特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。
2ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。
実父母の同意(本文)
特別養子縁組の成立には養子となる者の父母の同意がなければならない。
同意不要の例外(但書)
①父母がその意思を表示できない場合、②父母による虐待・悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は同意不要。
趣旨
実親子関係を完全に断絶する重大な効果ゆえ実親の同意を原則必要とする。同意は家裁の審判確定までは撤回可能(判例)。
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特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。
特別の必要性
特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難または不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに成立させる。
補充性原則
実親による監護が原則であり、それが破綻している場合の最終手段としての位置付け。家裁が個別事案で判断。
対象例
実親による虐待・育児放棄、生活困窮、未成年妊娠で養育不能等。
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特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。
2前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。
3ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。
規律
特別養子縁組成立には養親となる者が養子となる者を6か月以上監護した状況を考慮しなければならない(1項)。期間は817_2請求時から起算。ただし請求前の監護状況が明らかなときはこの限りでない(2項)。
趣旨
実親子関係終了という強い効果を伴うため、養親養子間の事実上の親子関係が形成されているかを実地で確認。試験養育期間(試験監護)として家裁の審判判断に組み込む。
2項但書の意義
請求前から養親が現実に監護していた事案(里親委託・事実上の養育等)では、その実績を加算し請求時から6か月を待たずに審判可能。柔軟運用条項。
実務
家庭裁判所は試験養育期間中の家族関係・養育環境を調査官に調査させ、養親適格と縁組の必要性を判断する。失敗例の早期発見機能も担う。
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養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。
2ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。
実方との親族関係の終了
養子と実方の父母・血族との親族関係は特別養子縁組によって終了する。
例外(但書)
817条の3第2項但書(配偶者の嫡出子の養親となる場合)の場合は他方配偶者および血族との親族関係は終了しない。連れ子養子の実親側は維持。
効果の重大性
実親との相続権・扶養義務・親族関係が全て終了する。普通養子は実親との関係維持されるのと真逆。
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次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
2養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
3実父母が相当の監護をすることができること。
4離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。
規律
①養親の虐待・悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があり、②実父母が相当の監護をすることができる場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるとき、家裁は養子・実父母・検察官の請求により特別養子縁組の当事者を離縁させることができる(1項)。1項所定の場合以外は離縁できない(2項)。
趣旨
特別養子は実親子関係を断絶するため、原則として離縁を認めない(不可逆性)。例外として養子の利益が重大に害される場合に限り家裁審判による離縁を認める。普通養子の協議離縁(811)と対照的。
離縁の要件
①養親側の有責事由(虐待・遺棄等)、②実父母の監護能力回復、③養子の利益のための特別の必要性、の3要件すべてが必要。1つでも欠ければ離縁不可。
請求権者
養子・実父母・検察官の3者に限定。養親は離縁請求できない(責任から逃れる手段にしないため)。検察官請求は公益代表として養子保護を担保。
効果
離縁により817_11で実方との親族関係が回復する。原状回復的離縁。
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養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。
規律
養子と実父母およびその血族との間において、離縁の日から特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。
趣旨
特別養子離縁の効果として、817_9で終了した実方親族関係を完全回復させる。原状回復的離縁の論理的帰結。
回復の範囲
実父母との関係のみならず、実祖父母・実兄弟姉妹・実おじおば等の血族関係も全て回復。817_9で終了した親族関係と同一範囲。
離縁日からの効果
遡及効はない。離縁日から将来に向かって親族関係が発生。離縁前の相続・扶養等の法律関係には影響しない。
817_10との関係
離縁は817_10の厳格要件を充たした場合のみ認められるため、本条による親族関係回復はきわめて例外的場面。
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父母は、子の心身の健全な発達を図るため、その子の人格を尊重するとともに、その子の年齢及び発達の程度に配慮してその子を養育しなければならず、かつ、その子が自己と同程度の生活を維持することができるよう扶養しなければならない。
2父母は、婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利の行使又は義務の履行に関し、その子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければならない。
親の責務等(1項)
父母は子の心身健全発達のため、子の人格尊重・年齢発達配慮による養育、子に自己同程度の生活を維持できる扶養義務を負う。2024年改正で親責任の理念規定として新設。
婚姻関係問わない協力義務(2項)
父母は婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利義務に関し子の利益のため互いに人格尊重・協力義務。離婚後共同親権制度導入と対応。
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第七百六十六条(第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の場合のほか、子と別居する父又は母その他の親族と当該子との交流について必要な事項は、父母の協議で定める。
2この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
3前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、父又は母の請求により、同項の事項を定める。
4家庭裁判所は、必要があると認めるときは、父又は母の請求により、前二項の規定による定めを変更することができる。
5前二項の請求を受けた家庭裁判所は、子の利益のため特に必要があると認めるときに限り、父母以外の親族と子との交流を実施する旨を定めることができる。
6前項の定めについての第二項又は第三項の規定による審判の請求は、父母以外の子の親族(子の直系尊属及び兄弟姉妹以外の者にあっては、過去に当該子を監護していた者に限る。)もすることができる。
7ただし、当該親族と子との交流についての定めをするため他に適当な方法があるときは、この限りでない。
親子の交流等の協議・審判(1項)
別居父母その他親族と子の交流について必要な事項は父母協議で定める。子の利益最優先。2024年改正で親族交流まで対象拡張。
協議不調時の家庭裁判所決定(2-3項)
協議不調・不能時は家庭裁判所が父母請求で定め、必要時に変更可能。
父母以外親族との交流(4-5項)
家庭裁判所は子の利益のため特に必要があれば、父母以外の親族と子の交流を定めることが可能。請求は当該親族(過去監護者等)も可能。
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親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。
2父母の婚姻中はその双方を親権者とする。
3子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。
4養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)
5子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
親権者(1項)
成年に達しない子は父母の親権に服する。
養子の親権(2項)
子が養子であるときは養親の親権に服する。
共同行使(3項本文)
親権は父母の婚姻中は父母が共同して行う。
意思一致しない場合・単独行使(3項但書)
父母の一方が親権を行うことができないときは他の一方が行う。
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父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。
2裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の双方又は一方を親権者と定める。
3子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。
4ただし、子の出生後に、父母の協議で、父母の双方又は父を親権者と定めることができる。
5父が認知した子に対する親権は、母が行う。
6ただし、父母の協議で、父母の双方又は父を親権者と定めることができる。
7第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
親権の内容
親権を行う者は子の利益のために子の監護および教育をする権利を有し、義務を負う。
2011年改正
従来「監護教育の権利義務」だけだったが「子の利益のために」を冒頭に明示。親権が子の福祉のための制度であることを宣言。
監護教育権の内容
身上監護(居所指定821条・職業許可823条・身分行為同意権・懲戒は2022改正で削除)と財産管理(824条)に大別。
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親権を行う者は、前条の規定による監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。
人格尊重・年齢発達への配慮義務
親権を行う者は監護教育において、子の人格を尊重するとともにその年齢および発達程度に配慮しなければならない。
体罰禁止
体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない(体罰禁止明文化)。
改正経緯
2022年改正で旧822条の懲戒権規定を削除し、本条として体罰禁止を明文化。児童虐待防止の社会的要請を反映。
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子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。
居所指定権
子は親権を行う者が指定した場所に居所を定めなければならない。
趣旨
親権者の監護権の具体的内容として子の居所を指定する権限を認める。家出・遊蕩防止の根拠規定。
限界
子の人格尊重義務(821条)の範囲内で行使される。不当な居所指定は権利濫用となり得る。
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子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。
2親権を行う者は、第六条第二項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。
職業許可権(1項)
子は親権を行う者の許可を得なければ職業を営むことができない。職業選択への親権者関与権を定める。
許可取消・制限(2項)
親権を行う者は6条2項の場合(職業に堪えない事由)に職業許可を取り消しまたは制限できる。
趣旨
未成年者を不適切な職業から保護し、教育機会の確保を図る。職業を営むことには年齢に応じて成年同様の取引能力が認められる(6条)。
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親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。
2ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
財産管理権・代表権(本文)
親権を行う者は子の財産を管理し、かつその財産に関する法律行為について子を代表する。
子の労務に対する例外(但書)
その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には本人の同意を得なければならない。子の人格尊重のため。
代表(代理)
親権者は子の包括的法定代理人。826条の利益相反行為の場合のみ特別代理人選任。
この条文の練習問題を解く
親権は、父母が共同して行う。
2ただし、次に掲げるときは、その一方が行う。
3その一方のみが親権者であるとき。
4他の一方が親権を行うことができないとき。
5子の利益のため急迫の事情があるとき。
6父母は、その双方が親権者であるときであっても、前項本文の規定にかかわらず、監護及び教育に関する日常の行為に係る親権の行使を単独ですることができる。
7特定の事項に係る親権の行使(第一項ただし書又は前項の規定により父母の一方が単独で行うことができるものを除く。)について、父母間に協議が調わない場合であって、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、父又は母の請求により、当該事項に係る親権の行使を父母の一方が単独ですることができる旨を定めることができる。
親権の共同行使原則(1項)
親権は父母が共同して行う。ただし①一方のみ親権者、②他方が親権行使不能、③子の利益のため急迫の事情ある場合は単独行使可。2024年改正で離婚後共同親権制度導入。
日常行為の単独行使(2項)
双方親権者でも、監護教育に関する日常行為は単独で親権行使可能。
特定事項の家庭裁判所決定(3項)
特定事項の親権行使につき父母協議不調かつ子の利益必要時、家庭裁判所が単独行使可能を定めることが可能。
この条文の練習問題を解く
第七百六十六条(第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定により定められた子の監護をすべき者は、第八百二十条から第八百二十三条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する。
2この場合において、子の監護をすべき者は、単独で、子の監護及び教育、居所の指定及び変更並びに営業の許可、その許可の取消し及びその制限をすることができる。
3前項の場合には、親権を行う者(子の監護をすべき者を除く。)は、子の監護をすべき者が同項後段の規定による行為をすることを妨げてはならない。
監護者の権利義務
766条により定められた子の監護者は、820-823条事項について親権者と同一の権利義務。単独で監護教育・居所指定変更・営業許可とその取消制限が可能。親権者は監護者の行為を妨げてはならない。2024年改正で監護者地位明確化。
この条文の練習問題を解く
父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
2ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
共同名義行為の効力
父母が共同して親権を行う場合、父母の一方が共同名義で子に代わってした行為は、他の一方の意思に反したときであっても効力を妨げられない。
例外(但書)
ただし相手方が悪意であった場合はこの限りでない。
趣旨
取引相手方の信頼保護。共同親権者間の内部紛争は外部効力に影響させない原則。
この条文の練習問題を解く
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
利益相反行為の代理権の制限(1項)
親権を行う父または母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者はその子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
数人の子の間の利益相反(2項)
親権を行う者が数人の子について親権を行う場合、その1人と他の子との利益が相反する行為については、特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
利益相反の判断(外形説)
判例は行為の外形によって客観的に判断(最判昭42・4・18)。動機・目的は問わない。違反すると無権代理(最判昭49・7・22)。
この条文の練習問題を解く
親権を行う者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行わなければならない。
自己のためにすると同一の注意義務
親権を行う者は子の財産管理について、自己のためにするのと同一の注意義務を負う。
善管注意との対比
受任者が負う善管注意義務(644条)よりも軽減された注意義務(自己注意義務)。親子関係の特殊性を反映。
違反の効果
義務違反により子に損害を与えた場合、債務不履行責任(415条)を負う。832条により管理権消滅から5年で時効消滅。
この条文の練習問題を解く
子が成年に達したときは、親権を行った者は、遅滞なくその管理の計算をしなければならない。
2ただし、その子の養育及び財産の管理の費用は、その子の財産の収益と相殺したものとみなす。
管理計算義務(本文)
子が成年に達したときは親権を行った者は遅滞なく管理の計算をしなければならない。
収益相殺擬制(ただし書)
子の養育・財産管理の費用は子の財産の収益と相殺したものとみなす。実務的に計算を簡素化する規定。
趣旨
親権終了時に管理結果を明確化する一方、養育費と収益の細かい清算を不要とすることで親子関係の円滑化を図る。
この条文の練習問題を解く
前条ただし書の規定は、無償で子に財産を与える第三者が反対の意思を表示したときは、その財産については、これを適用しない。
贈与者の反対意思表示による相殺除外
828条ただし書(養育費と収益の相殺擬制)は、無償で子に財産を与える第三者が反対意思を表示したときは、その財産については適用されない。
趣旨
贈与者が「養育費控除なしに子に純粋に財産を残したい」旨意思表示した場合に、その意思を尊重して相殺擬制を排除する。
適用例
祖父母が孫の教育資金として贈与した財産について、両親が養育費と相殺できないようにする場合。
この条文の練習問題を解く
無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父又は母にこれを管理させない意思を表示したときは、その財産は、父又は母の管理に属しないものとする。
2前項の財産につき父母が共に管理権を有しない場合において、第三者が管理者を指定しなかったときは、家庭裁判所は、子、その親族又は検察官の請求によって、その管理者を選任する。
3第三者が管理者を指定したときであっても、その管理者の権限が消滅し、又はこれを改任する必要がある場合において、第三者が更に管理者を指定しないときも、前項と同様とする。
4第二十七条から第二十九条までの規定は、前二項の場合について準用する。
第三者贈与財産の管理排除(1項)
無償で子に財産を与える第三者が親権を行う父または母にこれを管理させない意思を表示したときは、その財産は父母の管理に属しない。
両親管理権欠落・指定なしの場合(2項)
父母双方が管理権を有しない場合で、第三者が管理者を指定しなかったときは、家裁が子・親族・検察官の請求により管理者を選任する。
指定管理者の改任(3項)
第三者指定の管理者の権限消滅または改任必要時に、第三者が更に指定しないときも、2項同様家裁が選任。
不在者財産管理規定の準用(4項)
27条〜29条(不在者財産管理人)の規定を本条管理者にも準用する。
この条文の練習問題を解く
第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、親権を行う者が子の財産を管理する場合及び前条の場合について準用する。
委任終了規定の準用
654条(委任終了後の応急処分義務)・655条(委任終了の対抗要件=通知/知得)の規定を、親権者の子財産管理および830条の管理者管理に準用する。
654準用の効果
管理終了時、急迫事情があれば必要処分まで管理継続義務がある。
655準用の効果
管理終了は当事者へ通知またはその知得まで対抗できない。
この条文の練習問題を解く
親権を行った者とその子との間に財産の管理について生じた債権は、その管理権が消滅した時から五年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。
2子がまだ成年に達しない間に管理権が消滅した場合において子に法定代理人がないときは、前項の期間は、その子が成年に達し、又は後任の法定代理人が就職した時から起算する。
親子間財産管理債権の短期消滅時効(1項)
親権を行った者と子の間の財産管理上の債権は、管理権消滅時から5年間不行使で時効消滅。一般10年/権利行使可能5年(166条)の特則。
未成年中消滅の場合の起算(2項)
子が成年に達する前に管理権が消滅した場合で子に法定代理人がないときは、5年は子の成年到達時または後任法定代理人就職時から起算。
趣旨
親子関係の特殊性から早期の権利関係安定を図る一方、子の利益保護のため起算点を子が権利行使可能になった時に後ろ倒しする。
この条文の練習問題を解く
父又は母が成年に達しない子であるときは、当該子について親権を行う者が当該子に代わって親権を行う。
親代行親権
父または母が成年に達しない子であるときは、その子について親権を行う者が当該子に代わって親権を行う(代行親権)。
趣旨
未成年の親が自ら親権を行使できない場合に、祖父母等の親権者が孫に対し親権を代行する仕組み。三世代の親権連鎖を可能にする。
適用範囲
未成年の親の親権者(多くは未成年の親自身の親)が孫に対する親権を行使。代行親権は本来の親が成年に達するまで継続。
この条文の練習問題を解く
父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。
2ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。
親権喪失の審判
父または母による虐待または悪意の遺棄があるとき、その他父または母による親権の行使が著しく困難または不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は子・親族・未成年後見人・未成年後見監督人・検察官の請求により親権喪失の審判ができる。
例外(但書)
2年以内に原因消滅見込みがあるときは834_2の親権停止が選択される。
効果
親権者の地位を喪失。子の保護は他方親または未成年後見人に移る。
この条文の練習問題を解く
父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
2家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。
親権停止の審判(1項)
父または母による親権の行使が困難または不適当であることにより子の利益を害するときは、家裁は親権停止審判ができる。
停止期間(2項)
家裁は親権停止審判をするときは原因消滅までに要すると見込まれる期間・子の心身状態・生活状況その他一切の事情を考慮して2年を超えない範囲内で親権停止期間を定める。
趣旨(2011年改正で新設)
親権喪失は重大な処分であり段階的措置が必要。期間限定の停止により柔軟な児童保護を実現。
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父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。
管理権喪失審判
父または母による管理権の行使が困難または不適当であることにより子の利益を害するときは、家裁は子・親族・未成年後見人・未成年後見監督人・検察官の請求により管理権喪失の審判ができる。
親権喪失との区別
親権喪失(834条)は監護権を含む親権全体の喪失。管理権喪失は財産管理権のみの喪失で、監護権は維持する中間的制度。
趣旨
親子関係の本質的部分(監護)は維持しつつ、財産面のみ親権者を排除する柔軟な保護手段を提供。
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第八百三十四条本文、第八百三十四条の二第一項又は前条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によって、それぞれ親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判を取り消すことができる。
親権・管理権喪失等の取消し
834条本文(親権喪失)、834条の2第1項(親権停止)、または835条(管理権喪失)の原因が消滅したときは、家裁は本人または親族の請求により審判を取り消すことができる。
趣旨
状況改善時に親権・管理権を回復させ親子関係の正常化を図る。原因消滅が要件で家裁の判断による。
申立権者
本人(親権者本人)またはその親族のみ。子・検察官等は本条による取消申立てができない(喪失審判の申立権者とは異なる)。
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親権を行う父又は母は、やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を辞することができる。
2前項の事由が消滅したときは、父又は母は、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を回復することができる。
親権・管理権の辞任(1項)
親権を行う父または母は、やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て親権または管理権を辞することができる。
親権・管理権の回復(2項)
辞任事由が消滅したときは、父または母は家裁の許可を得て親権または管理権を回復できる。
趣旨
親権者が病気・長期不在等で親権行使不能となった場合に、自発的辞任を認めつつ、事情変更時の回復も認める柔軟制度。家裁の許可で恣意性を防止。
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後見は、次に掲げる場合に開始する。
2未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。
3後見開始の審判があったとき。
後見開始事由(1号)
未成年者に対して親権を行う者がないとき、または親権を行う者が管理権を有しないときは未成年後見が開始する。
後見開始事由(2号)
後見開始の審判があったときは成年後見が開始する。
趣旨
親権・行為能力の不在を補う制度。未成年後見と成年後見の2系統がある。
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未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。
2ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
3親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。
未成年後見人の指定(1項)
未成年者に対して最後に親権を行う者は遺言で未成年後見人を指定できる。ただし管理権を有しない者はこの限りでない。
複数指定(2項)
未成年者に対して最後に親権を行う者が管理権を有しないときは前項によらず他方の親が遺言で指定できる。
趣旨
親の自己決定権を尊重し信頼できる者に子の監護を委ねる制度(2011改正で複数後見人・法人後見人も認容)。
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前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。
2未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
3未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
4未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
家裁による選任(1項)
839条による未成年後見人指定がないとき、または指定後欠けたときは、家裁は未成年被後見人・親族その他の利害関係人の請求により未成年後見人を選任する。指定後欠けても自動的に家裁職権で動かない(請求要件)。
追加選任(2項)
後見人がある場合でも家裁は必要と認めるとき同様に追加選任できる。複数後見の柔軟運用。
選任考慮事情(3項)
後見人を選任するには被後見人の年齢・心身状態・生活経済状況・後見人候補者の職業経歴・利害関係・意見等一切の事情を考慮。
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父若しくは母が親権若しくは管理権を辞し、又は父若しくは母について親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判があったことによって未成年後見人を選任する必要が生じたときは、その父又は母は、遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。
未成年後見人選任請求義務
親権者が親権・管理権を辞任、又は親権喪失・親権停止・管理権喪失審判を受けた場合、当該父母自身が遅滞なく家裁に未成年後見人選任請求する義務を負う。
他の請求権者
本条は親権者の義務規定だが、839条等により未成年者本人・親族・検察官も請求可。本条違反でも審判は他者請求で可能。
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削除
削除条文(842条)
民法842条は2011年改正で削除。旧842条は親権喪失関連の旧規定で、現行834条以下の親権喪失・停止制度再編に伴い削除。
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家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
2成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。
3成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。
4成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
家裁による職権選任(1項)
家庭裁判所は後見開始審判をするときは職権で成年後見人を選任する。
欠けた場合の選任(2項)
成年後見人が欠けたときは家裁は成年被後見人・親族その他の利害関係人の請求または職権で選任する。
追加選任(3項)
成年後見人がある場合でも家裁は必要と認めるとき同様の請求・職権で追加選任できる。複数後見人を可とする。
選任考慮事情(4項)
被後見人の心身状態・生活経済状況・後見人候補者の職業経歴・利害関係・意見等一切の事情を考慮。
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後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
後見人の辞任許可
後見人は正当事由があれば家裁許可を得て辞任できる。後見人地位の重要性から自由辞任を認めず家裁チェックを要求。
正当事由の例
通説は高齢・遠隔地転居・健康悪化・職務多忙等を例示。私的便宜のみでは不可とされ、家裁が厳格に判断する運用。
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後見人がその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。
辞任後の選任請求義務
辞任した後見人自身が新後見人選任を家裁に請求する義務を負う。後見空白を防ぐための引継義務的規律。
違反の効果
違反しても辞任自体は有効。ただし損害賠償責任(644条準用の善管注意義務違反)の対象となりうる。
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後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができる。
後見人解任事由
不正行為・著しい不行跡・任務不適事由があれば解任。「不正行為」は財産横領等、「不行跡」は素行不良。
請求権者と職権
後見監督人・被後見人・親族・検察官の請求又は職権で解任可。職権発動を認める点が辞任(844条)と異なる。
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次に掲げる者は、後見人となることができない。
2未成年者
3家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
4破産者
5被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
6行方の知れない者
欠格事由列挙
①未成年者、②家裁で免ぜられた法定代理人・保佐人・補助人、③破産者、④被後見人に対する訴訟当事者・その配偶者・直系血族、⑤行方不明者。
欠格者が後見人となった場合
通説は当然無効ではなく、欠格事由判明後の解任事由となるにとどまる(取引安全配慮)。
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未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。
未成年後見監督人の指定
未成年後見人を指定できる者(遺言で親権者)は、遺言で未成年後見監督人を指定可能。839条と対応。
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家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。
後見監督人の選任
家庭裁判所は必要があると認めるときは、被後見人・親族・後見人の請求または職権で後見監督人を選任可能。後見の客観的監督確保。
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後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。
後見監督人欠格(近親関係)
後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹は後見監督人になれない。後見人と監督人の馴れ合いを防ぎ実効的監督確保。
847条欠格との関係
後見人欠格事由(847条)も852条により準用される。本条はそれに近親関係欠格を上乗せした特則。
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後見監督人の職務は、次のとおりとする。
2後見人の事務を監督すること。
3後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。
4急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。
5後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。
後見監督人の4職務
①後見人事務監督、②後見人欠缺時の遅滞ない選任請求、③急迫事情時の必要処分、④後見人と被後見人の利益相反行為での被後見人代表。後見人の暴走防止と権利保護の二本柱。
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8子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子又はその親族の請求によって、親権者を変更することができる。
9裁判所は、第二項又は前二項の裁判において、父母の双方を親権者と定めるかその一方を親権者と定めるかを判断するに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならない。
10この場合において、次の各号のいずれかに該当するときその他の父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならない。
11父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき。
12父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動(次項において「暴力等」という。)を受けるおそれの有無、第一項、第三項又は第四項の協議が調わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき。
13第六項の場合において、家庭裁判所は、父母の協議により定められた親権者を変更することが子の利益のため必要であるか否かを判断するに当たっては、当該協議の経過、その後の事情の変更その他の事情を考慮するものとする。
14この場合において、当該協議の経過を考慮するに当たっては、父母の一方から他の一方への暴力等の有無、家事事件手続法による調停の有無又は裁判外紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成十六年法律第百五十一号)第一条に規定する裁判外紛争解決手続をいう。)の利用の有無、協議の結果についての公正証書の作成の有無その他の事情をも勘案するものとする。
協議離婚における親権者指定(1項)
父母が協議離婚するときは、その協議でその一方を親権者と定めなければならない。
裁判離婚(2項)
裁判離婚の場合は裁判所が父母の一方を親権者と定める。
嫡出でない子(4項)
嫡出でない子の親権は母が行う。父が認知した子について父母協議または家庭裁判所により父を親権者と定めることもできる(4項・5項)。
親権者変更(6項)
子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は親族の請求により親権者を他の一方に変更できる。
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