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施行日前に利息が生じた場合におけるその利息を生ずべき債権に係る法定利率については、新法第四百四条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2新法第四百四条第四項の規定により法定利率に初めて変動があるまでの各期における同項の規定の適用については、同項中「この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)」とあるのは「民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十四号)の施行後最初の期」と、「直近変動期における法定利率」とあるのは「年三パーセント」とする。
補助開始の審判(1項)
精神上の障害により事理弁識能力が不十分な者について、本人・配偶者・四親等内親族・検察官等の請求により家裁は補助開始の審判ができる。後見・保佐相当の者は除く(補助は最も軽度の類型)。
本人請求以外の場合の本人同意(2項)
本人以外の者の請求による補助開始審判には本人の同意が必要。被補助人の自己決定権尊重の表れ(後見・保佐は本人同意不要)。
同意・代理付与の必要性(3項)
補助開始審判は、17条1項の同意権付与または876条の9第1項の代理権付与の審判とともにしなければ効力を生じない。単独では意味を持たない。
この条文の練習問題を解く
施行日前に債権が生じた場合における選択債権の不能による特定については、新法第四百十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
条文の機能
15条の補助開始審判の効果を定める形式規定。審判を受けた者を「被補助人」、付される者を「補助人」と呼ぶ名称規定。
補助制度の特徴
1999年改正で新設された3類型中最も軽度の保護類型。本人の同意なくして補助開始審判はできず(15条2項)、自己決定権を最大限尊重する設計。同意権・代理権は申立てにより個別に付与される(17条・876条の9)。
補助人の権限の個別性
後見・保佐と異なり、補助は「補助開始」だけでは本人の行為能力を制限する効果がない。17条の同意権付与審判または876条の9の代理権付与審判が併せて必要となる点が、制度設計の核。
この条文の練習問題を解く
施行日前に債務が生じた場合(施行日以後に債務が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。附則第二十五条第一項において同じ。)におけるその債務不履行の責任等については、新法第四百十二条第二項、第四百十二条の二から第四百十三条の二まで、第四百十五条、第四百十六条第二項、第四百十八条及び第四百二十二条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2新法第四百十七条の二(新法第七百二十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、施行日前に生じた将来において取得すべき利益又は負担すべき費用についての損害賠償請求権については、適用しない。
3施行日前に債務者が遅滞の責任を負った場合における遅延損害金を生ずべき債権に係る法定利率については、新法第四百十九条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4施行日前にされた旧法第四百二十条第一項に規定する損害賠償の額の予定に係る合意及び旧法第四百二十一条に規定する金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨の予定に係る合意については、なお従前の例による。
同意権付与審判(1項)
家裁は申立てにより、被補助人が「特定の法律行為」をするには補助人の同意を要する旨の審判ができる。対象は13条1項列挙行為の「一部」に限定される(13条1項全部に及ばせると保佐との区別がなくなるため)。
本人同意の要件(2項)
本人以外の者の請求の場合、本人の同意が要件。15条2項と同様に自己決定権尊重の表れ。
同意に代わる許可(3項)
13条3項と同様の規定。補助人が正当な理由なく同意しないとき家裁が代わって許可を与えられる。
取消権(4項)
同意又は許可を得ない行為は取消可能。120条1項により本人・補助人が取消権者となる。
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施行日前に旧法第四百二十三条第一項に規定する債務者に属する権利が生じた場合におけるその権利に係る債権者代位権については、なお従前の例による。
2新法第四百二十三条の七の規定は、施行日前に生じた同条に規定する譲渡人が第三者に対して有する権利については、適用しない。
補助開始審判の取消(1項)
15条1項本文の原因(事理弁識能力の不十分)が消滅したときに、家裁は請求により取消す。請求権者は本人・配偶者・四親等内の親族・未成年後見人・未成年後見監督人・補助人・補助監督人・検察官。
同意権付与審判の取消(2項)
17条1項の同意権付与審判について、家裁は全部又は一部を取消し可能。
全部取消の効果(3項)
17条1項の同意権付与審判と876条の9第1項の代理権付与審判のいずれも全部取り消す場合は、家裁は補助開始審判自体も取り消さなければならない。補助制度は同意権か代理権の少なくとも一方を伴うことが前提となっており、両方なくなれば制度自体の意味を失うため。
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施行日前に旧法第四百二十四条第一項に規定する債務者が債権者を害することを知ってした法律行為がされた場合におけるその行為に係る詐害行為取消権については、なお従前の例による。
後見開始時の処理(1項)
後見開始審判をする際、本人がすでに被保佐人・被補助人であるときは、家裁は保佐開始・補助開始審判を取り消さなければならない。同一人に複数の保護類型を併存させない(重畳禁止)趣旨。
準用(2項)
保佐開始の場合は後見・補助開始審判を取消し、補助開始の場合は後見・保佐開始審判を取消す。能力の変動に応じた類型移行を円滑にするための調整規定。
実務上の処理
家事事件手続法上、新類型の開始審判と旧類型の取消審判は通常同時に行われる。これにより本人保護の連続性が確保される(後見・保佐・補助の間に空白期間が生じない)。
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施行日前に生じた旧法第四百二十八条に規定する不可分債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。
2施行日前に生じた旧法第四百三十条に規定する不可分債務及び旧法第四百三十二条に規定する連帯債務(これらの原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。
3新法第四百三十二条から第四百三十五条の二までの規定は、施行日前に生じた新法第四百三十二条に規定する債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、適用しない。
制限行為能力者の相手方の催告権(1項)
相手方は1か月以上の期間を定めて、制限行為能力者(行為能力者になった者)に対し当該行為を追認するかを催告できる。期間内に確答を発しないと追認とみなされる。
法定代理人等への催告(2項)
行為能力者となる前の者の法定代理人・保佐人・補助人に対する催告も同様で、確答なしは追認擬制。
特別の方式を要する行為(3項)
後見監督人同意等の特別方式を要する行為の催告で確答なしのときは取消し擬制(追認擬制ではない)。受領者の保護より相手方安定の利益が劣後。
被保佐人・被補助人本人への催告(4項)
被保佐人・同意権付与された被補助人本人に対する催告で確答なしのときは取消し擬制。本人が同意を得る手間を負うのを軽くするため。
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施行日前に締結された保証契約に係る保証債務については、なお従前の例による。
2保証人になろうとする者は、施行日前においても、新法第四百六十五条の六第一項(新法第四百六十五条の八第一項において準用する場合を含む。)の公正証書の作成を嘱託することができる。
3公証人は、前項の規定による公正証書の作成の嘱託があった場合には、施行日前においても、新法第四百六十五条の六第二項及び第四百六十五条の七(これらの規定を新法第四百六十五条の八第一項において準用する場合を含む。)の規定の例により、その作成をすることができる。
制限行為能力者の詐術
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
詐術の意義
判例は単なる黙秘は詐術にあたらないが、他の言動と相まって相手方を誤信させまたは誤信を強めた場合は詐術にあたる(最判昭44・2・13)。
趣旨
取引相手方の信頼を保護し制限行為能力者の保護濫用を防ぐ。本人保護より相手方保護を優先する例外。
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施行日前に債権の譲渡の原因である法律行為がされた場合におけるその債権の譲渡については、新法第四百六十六条から第四百六十九条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。
住所の定義
「各人の生活の本拠」をもって住所とする。客観説(生活の中心という客観的事実で決まる)が通説・判例(大判明29・12・21)。住民票記載地と必ずしも一致しない(住民票は行政上の便宜であって民法上の住所そのものではない)。
住所単一性
通説は1人1住所説を否定し複数住所を認める(複数本拠を持つ生活実態に対応)。判例も同様の立場で、税法・選挙法など個別法ごとの住所概念とのずれを認める。
住所の機能
債務履行地(484条)、相続開始地(883条)、不在者の認定基準(25条)、訴訟管轄(民訴法4条)、国際私法上の連結点など、民法のみならず多数の場面で住所が重要な意味を持つ基準規定。
この条文の練習問題を解く
新法第四百七十条から第四百七十二条の四までの規定は、施行日前に締結された債務の引受けに関する契約については、適用しない。
居所の住所擬制(1項)
住所が知れない場合、居所をもって住所とみなす。住所が不明でも法律関係の連結点を確保するための補充規定。
外国人・在外日本人(2項)
日本に住所を有しない者は、国籍を問わず日本における居所を住所とみなす。日本法上の取引・訴訟関係の便宜のための擬制。
通則法による例外(2項ただし書)
法の適用に関する通則法に従い住所地法による場合は適用除外。国際私法上の連結点として外国の住所地法を選ぶべき場面では本条の擬制を働かせない趣旨。
この条文の練習問題を解く
施行日前に生じた旧法第四百七十一条に規定する記名式所持人払債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。
仮住所の擬制
ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては仮住所を住所とみなす。当事者の合意により特定取引について履行地・送達先等を画一化する便宜的規定。
適用範囲
当該行為に「関しては」とあるため、選定した取引・契約等の範囲内でのみ住所として扱われ、それ以外の法律関係には及ばない。仮住所の効果は限定的。
実務
国際取引で履行地を当事者間で画一的に定める場面や、出張・出向中の連絡先指定などで活用される。住所地と異なる場所での弁済・通知の効力を生むための基礎規定。
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施行日前に債務が生じた場合におけるその債務の弁済については、次項に規定するもののほか、なお従前の例による。
2施行日前に弁済がされた場合におけるその弁済の充当については、新法第四百八十八条から第四百九十一条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。
不在者の定義
「従来の住所又は居所を去った者」を不在者と呼ぶ。生存・所在不明であることまでは要件ではなく、長期不在で財産管理人を置かない者を広く含む。
管理人不設置の場合(1項前段)
管理人を置かなかった場合、家裁は利害関係人(債権者・配偶者・推定相続人等)または検察官の請求により、財産管理の必要な処分を命じることができる。具体的には管理人の選任が中心。
管理権限消滅の場合(1項後段)
本人不在中に管理人の権限が消滅(死亡・辞任等)した場合も同様の処分が可能。財産管理の空白を生じさせない趣旨。
本人による選任後の取消(2項)
家裁が命令した後に本人自身が管理人を選任したときは、家裁は管理人等の請求により命令を取り消さなければならない。本人の自己決定が回復した場合に家裁関与を退かせる調整規定。
この条文の練習問題を解く
施行日前にされた旧法第五百五条第二項に規定する意思表示については、なお従前の例による。
2施行日前に債権が生じた場合におけるその債権を受働債権とする相殺については、新法第五百九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
3施行日前の原因に基づいて債権が生じた場合におけるその債権を自働債権とする相殺(差押えを受けた債権を受働債権とするものに限る。)については、新法第五百十一条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4施行日前に相殺の意思表示がされた場合におけるその相殺の充当については、新法第五百十二条及び第五百十二条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
管理人改任の要件
不在者自身が選任した管理人がいる場合に、不在者の生死不明となったときは、家裁が利害関係人・検察官の請求により管理人を改任できる。本人選任管理人の権限濫用・能力不足等のリスクに対応する。
生死不明要件の意味
単に行方不明では足りず、生死そのものが不明であることが要件。生存が明らかであれば本人と管理人との委任関係を尊重し、家裁は介入しない。
改任後の管理人
改任された新管理人は、家裁選任の管理人として27条・28条・29条の適用を受け、本人選任管理人とは異なる扱いとなる。
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施行日前に旧法第五百十三条に規定する更改の契約が締結された更改については、なお従前の例による。
財産目録の作成(1項)
家裁が25条・26条で選任した管理人は、管理対象財産の目録を作成する義務を負う。費用は不在者財産から支弁。財産管理の透明性確保のための基本的義務。
本人選任管理人への命令(2項)
不在者自身が置いた管理人についても、生死不明の場合は家裁が利害関係人・検察官の請求により目録作成を命じうる。家裁監督下に置かれる契機。
保存処分(3項)
家裁は管理人に対し財産保存に必要な処分(火災保険締結、修繕等)を命じることができる。管理人の善管注意義務(家裁選任の場合644条準用)を具体化する規定。
この条文の練習問題を解く
新法第五百二十条の二から第五百二十条の二十までの規定は、施行日前に発行された証券については、適用しない。
管理人の権限範囲
原則として103条の権限内行為(保存・利用・改良の管理行為)に限られる。処分行為(売却・贈与等)は本来権限外。
家裁許可の要件
103条の権限を超える行為(不動産売却、抵当権設定、長期賃貸借等の処分行為)を必要とする場合、家裁の許可を得て行為できる。許可なき処分行為は無権代理として効力を生じない(判例:最判昭28・12・28)。
本人選任管理人への適用
不在者の生死不明で本人選任管理人が本人定めの権限を超える行為を要する場合も家裁許可を要する。家裁監督下に統合される。
この条文の練習問題を解く
施行日前に契約の申込みがされた場合におけるその申込み及びこれに対する承諾については、なお従前の例による。
2施行日前に通知が発せられた契約の申込みについては、新法第五百二十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
3施行日前にされた懸賞広告については、新法第五百二十九条から第五百三十条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。
担保提供(1項)
家裁は管理人に対し、財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。管理人の不正・濫用に備える本人財産保護の趣旨。
報酬付与(2項)
家裁は事情に応じて不在者財産から相当な報酬を管理人に与えることができる。家裁選任の管理人は本来法定の管理職務だが、職務に見合った対価を支給する制度設計。
実務上の運用
弁護士等の専門職管理人を選任する場合に報酬付与が活用される。担保は親族管理人で資力不安の場合に求められる例が多い。
この条文の練習問題を解く
施行日前に締結された契約に係る同時履行の抗弁及び危険負担については、なお従前の例による。
2新法第五百三十七条第二項及び第五百三十八条第二項の規定は、施行日前に締結された第三者のためにする契約については、適用しない。
普通失踪(1項)
不在者の生死が7年間明らかでないとき、家裁は利害関係人請求により失踪宣告ができる。
特別失踪(危難失踪・2項)
戦地に臨んだ者・沈没船舶中にあった者・その他死亡原因となるべき危難に遭遇した者の生死が危難去後1年間明らかでないときも失踪宣告ができる。
効果(31条と連動)
宣告により失踪者は普通失踪では7年期間満了時、特別失踪では危難去時に死亡したものとみなされる。
この条文の練習問題を解く
新法第五百三十九条の二の規定は、施行日前にされた契約上の地位を譲渡する旨の合意については、適用しない。
普通失踪の死亡擬制時期
30条1項の失踪宣告を受けた者は7年期間満了時に死亡したものとみなされる。
特別失踪の死亡擬制時期
30条2項の宣告を受けた者は危難が去った時に死亡したものとみなされる。
効果の範囲
従来の住所を中心とする私法上の法律関係(婚姻・相続・契約)について死亡と同等の効果。権利能力自体は失わない(戻ってきた失踪者は他地で活動可能)。
この条文の練習問題を解く
施行日前に契約が締結された場合におけるその契約の解除については、新法第五百四十一条から第五百四十三条まで、第五百四十五条第三項及び第五百四十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
取消しの要件(1項前段)
失踪者の生存または擬制時期と異なる時期の死亡が証明されたとき、家裁は本人・利害関係人請求により失踪宣告を取り消さなければならない。
善意の取引保護(1項後段)
宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。判例は当事者双方善意必要説(最判昭40・10・8類推)。
現存利益返還(2項)
宣告によって財産を取得した者は取消しによりその権利を失う。ただし現に利益を受けている限度で返還義務(不当利得の特則)。
この条文の練習問題を解く
新法第五百四十八条の二から第五百四十八条の四までの規定は、施行日前に締結された定型取引(新法第五百四十八条の二第一項に規定する定型取引をいう。)に係る契約についても、適用する。
2ただし、旧法の規定によって生じた効力を妨げない。
3前項の規定は、同項に規定する契約の当事者の一方(契約又は法律の規定により解除権を現に行使することができる者を除く。)により反対の意思の表示が書面でされた場合(その内容を記録した電磁的記録によってされた場合を含む。)には、適用しない。
4前項に規定する反対の意思の表示は、施行日前にしなければならない。
法人法定主義(1項)
法人は本法その他の法律の規定によらなければ成立しない。法人格付与の根拠を法律に限定し、当事者の自由意思のみで法人を作ることを禁ずる原則。
立法趣旨
法人は権利義務の主体となり取引関係に立つため、その範囲・要件を法律で画一的に定めることで取引安全と公益保護を図る。明治民法以来の伝統的原則。
法人種類の概観(2項)
公益目的法人(学術・技芸・慈善・祭祀・宗教等)と営利目的法人、その他の法人について、設立・組織・運営・管理は本法又は他の法律に従う。2006年公益法人改革により各種法人法(一般社団法人法・公益認定法・会社法等)に詳細を委ねる構造に整理。
権利能力なき社団との関係
法人法定主義の帰結として、法人格を有さない団体(権利能力なき社団)が登場する。判例(最判昭39・10・15)は実態に応じた権利義務関係を認め、財産帰属を構成員総有とする等の解釈を展開。
この条文の練習問題を解く
施行日前に贈与、売買、消費貸借(旧法第五百八十九条に規定する消費貸借の予約を含む。)、使用貸借、賃貸借、雇用、請負、委任、寄託又は組合の各契約が締結された場合におけるこれらの契約及びこれらの契約に付随する買戻しその他の特約については、なお従前の例による。
2前項の規定にかかわらず、新法第六百四条第二項の規定は、施行日前に賃貸借契約が締結された場合において施行日以後にその契約の更新に係る合意がされるときにも適用する。
3第一項の規定にかかわらず、新法第六百五条の四の規定は、施行日前に不動産の賃貸借契約が締結された場合において施行日以後にその不動産の占有を第三者が妨害し、又はその不動産を第三者が占有しているときにも適用する。
法人の権利能力の範囲(目的の範囲内)
法人は法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において権利を有し、義務を負う。法人の権利能力の限界を定款目的により画する規定。
「目的の範囲」の解釈
判例(最判昭45・6・24八幡製鉄政治献金事件)は目的を緩やかに解し、目的遂行に直接間接必要な行為まで含む。営利法人については特に広く、社会通念上有益な行為一般を含むと解される。
非営利法人での厳格適用
公益目的法人・特殊法人については目的の範囲が比較的厳格に解される傾向がある(最判昭44・4・8農協政治献金事件等)。営利法人と公益法人の取扱いを分ける実質的判断基準。
目的範囲外行為の効果
通説は目的範囲外行為を無効とする(権利能力否定説)。これに対し有効説(行為能力制限説)・代表権制限説等の対立があるが、判例は無効説を採る。
この条文の練習問題を解く
旧法第七百二十四条後段(旧法第九百三十四条第三項(旧法第九百三十六条第三項、第九百四十七条第三項、第九百五十条第二項及び第九百五十七条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)に規定する期間がこの法律の施行の際既に経過していた場合におけるその期間の制限については、なお従前の例による。
2新法第七百二十四条の二の規定は、不法行為による損害賠償請求権の旧法第七百二十四条前段に規定する時効がこの法律の施行の際既に完成していた場合については、適用しない。
外国法人の認許原則(1項本文)
外国法人は、国・国の行政区画・外国会社を除き、その成立を認許しない。法人法定主義の対外的帰結として、外国の法令に基づく法人を日本で当然には法人として認めない原則。
認許の例外(1項ただし書)
法律又は条約の規定により認許された外国法人は認許される。例:日米友好通商航海条約等。実務では国際取引の必要性から多くの法人類型が認許される。
認許外国法人の権利能力(2項)
認許された外国法人は、日本において成立する同種の法人と同一の私権を有する。内国法人と平等の処遇を原則とする内国民待遇。
私権制限(2項ただし書)
外国人享有不可の権利(一定の不動産所有権等の制限)及び法律・条約の特別規定がある権利は別途規律。例:放送法・電波法による外国資本制限。
この条文の練習問題を解く
施行日前に遺言執行者となった者の報酬については、新法第千十八条第二項において準用する新法第六百四十八条第三項及び第六百四十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
法人および外国法人の登記
法人および外国法人は、本法その他の法令の定めるところにより登記する。法人登記制度の根拠規定。商業登記法・法人登記制度の出発点。
この条文の練習問題を解く
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
外国法人の登記必須事項(1項)
外国法人(35条1項ただし書該当)が日本に事務所を設けたときは、3週間以内に事務所所在地で、①設立準拠法、②目的、③名称、④事務所所在場所、⑤存続期間、⑥代表者の氏名住所を登記必須。
変更登記・対抗要件(2項)
登記事項変更時3週間以内に変更登記。登記前は変更を第三者対抗不可。
初回登記前の成立否認(5項)
外国法人が初めて日本事務所を設けたときは、事務所所在地登記まで第三者は法人成立を否認可能。
登記懈怠の過料(8項)
代表者が登記を怠ったとき50万円以下の過料。
この条文の練習問題を解く
この法律は、平成三十四年四月一日から施行する。
2ただし、附則第二十六条の規定は、公布の日から施行する。
公共の福祉適合性(1項)
私権は公共の福祉に適合しなければならない。私権行使の最外延の制限であり、個別の制限規定の解釈指針となる。
信義誠実の原則(2項)
権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に行わなければならない。具体的妥当性を確保する一般条項であり、矛盾挙動禁止・事情変更の法理等の根拠となる。
権利濫用の禁止(3項)
権利の行使がその社会的目的を逸脱する場合は許されない。判例は客観的態様と主観的態様を総合考慮(最判昭和10・10・5宇奈月温泉事件)。
民法
信義則・権利濫用と権利行使の限界
民法
信義則による契約解釈と付随的義務の導出
この条文の練習問題を解く
この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)第四条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に十八歳に達する者について適用し、この法律の施行の際に二十歳以上の者の成年に達した時については、なお従前の例による。
2この法律の施行の際に十八歳以上二十歳未満の者(次項に規定する者を除く。)は、施行日において成年に達するものとする。
3施行日前に婚姻をし、この法律による改正前の民法(次条第三項において「旧法」という。)第七百五十三条の規定により成年に達したものとみなされた者については、この法律の施行後も、なお従前の例により当該婚姻の時に成年に達したものとみなす。
個人の尊厳
解釈の指導理念。家族関係・人格的利益の解釈で特に機能する。
両性の本質的平等
家族法解釈の指導理念。最大判平成27・12・16夫婦同氏訴訟等の根拠規定。
この条文の練習問題を解く
施行日前にした婚姻の取消し(女が適齢に達していないことを理由とするものに限る。)については、新法第七百三十一条及び第七百四十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2この法律の施行の際に十六歳以上十八歳未満の女は、新法第七百三十一条の規定にかかわらず、婚姻をすることができる。
3前項の規定による婚姻については、旧法第七百三十七条、第七百四十条(旧法第七百四十一条において準用する場合を含む。)及び第七百五十三条の規定は、なおその効力を有する。
権利能力の始期は出生(1項)
全部露出説が通説・判例。私法上の権利義務の主体性を取得する。
外国人の権利能力(2項)
法令又は条約により禁止される場合を除き、原則として日本人と同様の権利能力を享有する。
この条文の練習問題を解く
施行日前にした縁組の取消し(養親となる者が成年に達していないことを理由とするものに限る。)については、新法第四条、第七百九十二条及び第八百四条の規定並びに附則第二条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
成年年齢は18歳
令和4年4月施行。単独で完全な法律行為能力を取得する基準年齢。
この条文の練習問題を解く
施行日前にした行為及び附則第十三条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
不在者の定義
「従来の住所又は居所を去った者」を不在者と呼ぶ。生存・所在不明であることまでは要件ではなく、長期不在で財産管理人を置かない者を広く含む。
管理人不設置の場合(1項前段)
管理人を置かなかった場合、家裁は利害関係人(債権者・配偶者・推定相続人等)または検察官の請求により、財産管理の必要な処分を命じることができる。具体的には管理人の選任が中心。
管理権限消滅の場合(1項後段)
本人不在中に管理人の権限が消滅(死亡・辞任等)した場合も同様の処分が可能。財産管理の空白を生じさせない趣旨。
本人による選任後の取消(2項)
家裁が命令した後に本人自身が管理人を選任したときは、家裁は管理人等の請求により命令を取り消さなければならない。本人の自己決定が回復した場合に家裁関与を退かせる調整規定。
この条文の練習問題を解く
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
管理人改任の要件
不在者自身が選任した管理人がいる場合に、不在者の生死不明となったときは、家裁が利害関係人・検察官の請求により管理人を改任できる。本人選任管理人の権限濫用・能力不足等のリスクに対応する。
生死不明要件の意味
単に行方不明では足りず、生死そのものが不明であることが要件。生存が明らかであれば本人と管理人との委任関係を尊重し、家裁は介入しない。
改任後の管理人
改任された新管理人は、家裁選任の管理人として27条・28条・29条の適用を受け、本人選任管理人とは異なる扱いとなる。
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この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
3附則第三十条及び第三十一条の規定
4公布の日
5第一条中民法第九百六十八条、第九百七十条第二項及び第九百八十二条の改正規定並びに附則第六条の規定
6公布の日から起算して六月を経過した日
7第一条中民法第九百九十八条、第千条及び第千二十五条ただし書の改正規定並びに附則第七条及び第九条の規定
8民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十四号)の施行の日
9第二条並びに附則第十条、第十三条、第十四条、第十七条、第十八条及び第二十三条から第二十六条までの規定
10公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
公共の福祉適合性(1項)
私権は公共の福祉に適合しなければならない。私権行使の最外延の制限であり、個別の制限規定の解釈指針となる。
信義誠実の原則(2項)
権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に行わなければならない。具体的妥当性を確保する一般条項であり、矛盾挙動禁止・事情変更の法理等の根拠となる。
権利濫用の禁止(3項)
権利の行使がその社会的目的を逸脱する場合は許されない。判例は客観的態様と主観的態様を総合考慮(最判昭和10・10・5宇奈月温泉事件)。
民法
信義則・権利濫用と権利行使の限界
民法
信義則による契約解釈と付随的義務の導出
この条文の練習問題を解く
この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
個人の尊厳
解釈の指導理念。家族関係・人格的利益の解釈で特に機能する。
両性の本質的平等
家族法解釈の指導理念。最大判平成27・12・16夫婦同氏訴訟等の根拠規定。
この条文の練習問題を解く
第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)第八百九十九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し遺産の分割による債権の承継がされた場合において、施行日以後にその承継の通知がされるときにも、適用する。
権利能力の始期は出生(1項)
全部露出説が通説・判例。私法上の権利義務の主体性を取得する。
外国人の権利能力(2項)
法令又は条約により禁止される場合を除き、原則として日本人と同様の権利能力を享有する。
この条文の練習問題を解く
新民法第九百三条第四項の規定は、施行日前にされた遺贈又は贈与については、適用しない。
成年年齢は18歳
令和4年4月施行。単独で完全な法律行為能力を取得する基準年齢。
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新民法第九百九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に預貯金債権が行使されるときにも、適用する。
2施行日から附則第一条第三号に定める日の前日までの間における新民法第九百九条の二の規定の適用については、同条中「預貯金債権のうち」とあるのは、「預貯金債権(預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権をいう。以下同じ。)のうち」とする。
法律行為に法定代理人の同意(1項)
未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意を要する。単に権利を得るか義務を免れる行為は同意不要。
同意なき行為の取消し(2項)
同意を欠く法律行為は取り消せる。取消権者は本人・法定代理人(120条)。
処分許諾財産・営業許諾の例外(3項)
目的を定めて処分を許された財産・許された営業に関しては行為能力者と同一。
この条文の練習問題を解く
附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前にされた自筆証書遺言については、新民法第九百六十八条第二項及び第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
営業許可を受けた未成年者の能力
1種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有する。法定代理人の許可により未成年者の制限行為能力を部分的に解除する制度。
営業の特定性
「1種又は数種の営業」と限定されており、特定された営業に関する行為に限り成年者と同一の能力。営業外の法律行為(私的取引等)は依然として5条の制限行為能力に服する。包括的な能力付与は許されない。
営業の取消・制限(2項)
未成年者が営業に堪えられない事由があるときは、法定代理人は親族編の規定に従い許可の取消・制限が可能。事後的監督権を確保しつつ、取消・制限は将来効のみで遡及効はない。
営業許可の登記
商法5条により未成年者商人は登記を要する。登記により取引相手方は未成年者の営業能力を確認可能となり、取引安全が確保される。
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附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(以下「第三号施行日」という。)前にされた遺贈に係る遺贈義務者の引渡義務については、新民法第九百九十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2第一条の規定による改正前の民法第千条の規定は、第三号施行日前にされた第三者の権利の目的である財産の遺贈については、なおその効力を有する。
精神上の障害
精神病、知的障害、認知症など、精神的機能の異常状態を意味する。単なる一時的な精神不安定では足りず、継続的・恒常的な状態であることが必要である。最判は医学的診断と法的評価を区別し、法的には事理弁識能力の喪失につながる障害であることを要求している。
事理を弁識する能力を欠く
事理を弁識する能力とは、自分の行為の性質・結果を認識し、それに基づいて判断・決定する能力をいう。通説・判例は、日常生活における簡単な事柄さえも理解できない程度の著しい精神的減退を要件とし、相応の高度な判断能力の欠如を要求する。
常況にある者
常況とは、一時的・間欠的ではなく、継続的・恒常的な状態が存在することを意味する。通説・判例は、その状態が相当期間継続し、改善の見込みが低いことを実質的に求める。後見の開始は原則として取り消し不可能な重大な措置であるため、一時的な状態では足りない。
請求権者の適格
後見開始の審判は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人または検察官のみが請求できる。これは本人の保護と濫用防止のバランスを図ったもので、検察官の請求は公益的観点から認められている。
家庭裁判所の審判
後見開始は家庭裁判所の審判により初めて効力を生じる。通説・判例は、家庭裁判所は医学的鑑定を含む慎重な調査を行い、事理弁識能力の喪失について確信を得る必要があるとする。単なる請求があるだけでは足りず、要件充足の立証責任は請求者にある。
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新民法第千七条第二項及び第千十二条の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に遺言執行者となる者にも、適用する。
2新民法第千十四条第二項から第四項までの規定は、施行日前にされた特定の財産に関する遺言に係る遺言執行者によるその執行については、適用しない。
3施行日前にされた遺言に係る遺言執行者の復任権については、新民法第千十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
後見開始の審判
家庭裁判所による後見開始の審判が存在することが要件である。これは民法7条に基づき、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について下されるもので、単なる申立てではなく確定した審判そのものが本要件の充足に必要とされる。最判は本審判の確定により法律上の地位が生じると解している。
成年被後見人としての身分取得
後見開始の審判を受けた者は当然に成年被後見人という法律上の身分を取得する。これは宣告的効果であり、その者の法的能力の制限を示す地位である。被後見人は民法9条に基づき、日常生活に関する行為を除き、自らなした法律行為の取消しを被後見人または成年後見人から主張されうる立場となる。
成年後見人の付与
後見開始の審判がされた場合、必ず成年後見人が付される。この付与は同時的・自動的なものであり、本条は成年後見人の選任が別個の手続きではなく後見開始審判と同時的効果であることを明示している。最判は後見人選任の要件・基準について、本人の利益を最優先とする立場を採用している。
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第三号施行日前に撤回された遺言の効力については、新民法第千二十五条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。
成年被後見人であること
本要件は、家庭裁判所により後見開始の審判を受けた者を意味する。成年被後見人は精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあると認められた者であり、戸籍に記載される。単なる判断能力の低下では足りず、常に判断能力を欠く状態が要求される。
法律行為であること
法律行為とは、私人の意思表示によって直接に法律効果の発生を目的とする行為をいう。契約、遺言、贈与など意思表示を必須とする行為が該当する。事実行為(物の引渡しなど)は含まれない。
日用品の購入その他日常生活に関する行為ではないこと(取消可能性の消極要件)
ただし書きは取消権の制限であり、日用品購入など日常生活に密接に関連する行為は取り消すことができないとする。判例は『日用品』を衣食住の基本的需要に関連するもの、『日常生活に関する行為』を金額・性質において通常の生活範囲内のものと解釈している。誤解しやすい点として、この例外が認められると民法9条1項の保護が全く働かないわけではなく、後見人の同意があれば有効となる点に注意が必要である。
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第二条の規定による改正後の民法(次項において「第四号新民法」という。)第千二十八条から第千四十一条までの規定は、次項に定めるものを除き、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(以下この条において「第四号施行日」という。)以後に開始した相続について適用し、第四号施行日前に開始した相続については、なお従前の例による。
2第四号新民法第千二十八条から第千三十六条までの規定は、第四号施行日前にされた遺贈については、適用しない。
第七条に規定する原因の消滅
成年後見開始の審判の基礎となった原因事実(精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況)が客観的に消滅したことを要する。単なる本人の主観的な改善ではなく、医学的・客観的な判断により原因が実際に消滅していることが必要であり、通説・判例も本人の現在の状態が原因消滅の有無を判断する基準としている。
請求権者の限定列挙
本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人または検察官の請求により初めて審判取消しが開始される。請求権者の列挙は限定的であり、利害関係人であっても請求権者に列挙されていない者(例えば五親等の親族)は直接請求できず、この点は成年後見制度における民主的統制と本人の地位安定性のバランスを示す規定である。
家庭裁判所の審判権
後見開始原因の消滅は家庭裁判所が後見開始決定と同様の手続を経て審判により確認される必要がある。本条は「取り消さなければならない」と規定し、原因消滅の事実が認定された場合には家庭裁判所に審判取消しの義務を課しており、行政庁の裁量を認めない強行規定である。
審判取消しの効果
後見開始の審判が取り消されると、遡及効を生じるか否かについて学説が対立しているが、判例は原則として将来効のみを認める立場をとっている。取消しの時点以降において本人は成年後見人の保護を受けなくなり、単独で法律行為をなしうる能力を回復する。
この条文の練習問題を解く
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
普通失踪の死亡擬制時期
30条1項の失踪宣告を受けた者は7年期間満了時に死亡したものとみなされる。
特別失踪の死亡擬制時期
30条2項の宣告を受けた者は危難が去った時に死亡したものとみなされる。
効果の範囲
従来の住所を中心とする私法上の法律関係(婚姻・相続・契約)について死亡と同等の効果。権利能力自体は失わない(戻ってきた失踪者は他地で活動可能)。
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この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
3附則第二十条の規定
4公布の日
5略
6附則第九条の規定
7この法律の施行の日(以下「施行日」という。)又は前号に定める日のいずれか遅い日
公共の福祉適合性(1項)
私権は公共の福祉に適合しなければならない。私権行使の最外延の制限であり、個別の制限規定の解釈指針となる。
信義誠実の原則(2項)
権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に行わなければならない。具体的妥当性を確保する一般条項であり、矛盾挙動禁止・事情変更の法理等の根拠となる。
権利濫用の禁止(3項)
権利の行使がその社会的目的を逸脱する場合は許されない。判例は客観的態様と主観的態様を総合考慮(最判昭和10・10・5宇奈月温泉事件)。
民法
信義則・権利濫用と権利行使の限界
民法
信義則による契約解釈と付随的義務の導出
この条文の練習問題を解く
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
制限行為能力者の相手方の催告権(1項)
相手方は1か月以上の期間を定めて、制限行為能力者(行為能力者になった者)に対し当該行為を追認するかを催告できる。期間内に確答を発しないと追認とみなされる。
法定代理人等への催告(2項)
行為能力者となる前の者の法定代理人・保佐人・補助人に対する催告も同様で、確答なしは追認擬制。
特別の方式を要する行為(3項)
後見監督人同意等の特別方式を要する行為の催告で確答なしのときは取消し擬制(追認擬制ではない)。受領者の保護より相手方安定の利益が劣後。
被保佐人・被補助人本人への催告(4項)
被保佐人・同意権付与された被補助人本人に対する催告で確答なしのときは取消し擬制。本人が同意を得る手間を負うのを軽くするため。
この条文の練習問題を解く
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
3第二条中不動産登記法第百三十一条第五項の改正規定及び附則第三十四条の規定
4公布の日
公共の福祉適合性(1項)
私権は公共の福祉に適合しなければならない。私権行使の最外延の制限であり、個別の制限規定の解釈指針となる。
信義誠実の原則(2項)
権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に行わなければならない。具体的妥当性を確保する一般条項であり、矛盾挙動禁止・事情変更の法理等の根拠となる。
権利濫用の禁止(3項)
権利の行使がその社会的目的を逸脱する場合は許されない。判例は客観的態様と主観的態様を総合考慮(最判昭和10・10・5宇奈月温泉事件)。
民法
信義則・権利濫用と権利行使の限界
民法
信義則による契約解釈と付随的義務の導出
この条文の練習問題を解く
この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に第一条の規定による改正前の民法(以下「旧民法」という。)第九百十八条第二項(旧民法第九百二十六条第二項(旧民法第九百三十六条第三項において準用する場合を含む。)及び第九百四十条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分は、施行日以後は、第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)第八百九十七条の二の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分とみなす。
2施行日前に旧民法第九百十八条第二項の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分の請求(施行日前に当該請求に係る審判が確定したものを除く。)は、施行日以後は、新民法第八百九十七条の二の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分の請求とみなす。
個人の尊厳
解釈の指導理念。家族関係・人格的利益の解釈で特に機能する。
両性の本質的平等
家族法解釈の指導理念。最大判平成27・12・16夫婦同氏訴訟等の根拠規定。
この条文の練習問題を解く
新民法第九百四条の三及び第九百八条第二項から第五項までの規定は、施行日前に相続が開始した遺産の分割についても、適用する。
2この場合において、新民法第九百四条の三第一号中「相続開始の時から十年を経過する前」とあるのは「相続開始の時から十年を経過する時又は民法等の一部を改正する法律(令和三年法律第二十四号)の施行の時から五年を経過する時のいずれか遅い時まで」と、同条第二号中「十年の期間」とあるのは「十年の期間(相続開始の時から始まる十年の期間の満了後に民法等の一部を改正する法律の施行の時から始まる五年の期間が満了する場合にあっては、同法の施行の時から始まる五年の期間)」と、新民法第九百八条第二項ただし書、第三項ただし書、第四項ただし書及び第五項ただし書中「相続開始の時から十年」とあるのは「相続開始の時から十年を経過する時又は民法等の一部を改正する法律の施行の時から五年を経過する時のいずれか遅い時」とする。
権利能力の始期は出生(1項)
全部露出説が通説・判例。私法上の権利義務の主体性を取得する。
外国人の権利能力(2項)
法令又は条約により禁止される場合を除き、原則として日本人と同様の権利能力を享有する。
この条文の練習問題を解く
施行日前に旧民法第九百三十六条第一項の規定により選任された相続財産の管理人は、施行日以後は、新民法第九百三十六条第一項の規定により選任された相続財産の清算人とみなす。
2施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定により選任された相続財産の管理人は、新民法第九百四十条第一項及び第九百五十三条から第九百五十六条までの規定の適用については、新民法第九百五十二条第一項の規定により選任された相続財産の清算人とみなす。
3施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定によりされた相続財産の管理人の選任の請求(施行日前に当該請求に係る審判が確定したものを除く。)は、施行日以後は、新民法第九百五十二条第一項の規定によりされた相続財産の清算人の選任の請求とみなす。
4施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定により相続財産の管理人が選任された場合における当該相続財産の管理人の選任の公告、相続債権者及び受遺者に対する請求の申出をすべき旨の公告及び催告、相続債権者及び受遺者に対する弁済並びにその弁済のための相続財産の換価、相続債権者及び受遺者の換価手続への参加、不当な弁済をした相続財産の管理人の責任、相続人の捜索の公告、公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者の権利並びに相続人としての権利を主張する者がない場合における相続人、相続債権者及び受遺者の権利については、なお従前の例による。
5施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定により相続財産の管理人が選任された場合における特別縁故者に対する相続財産の分与については、新民法第九百五十八条の二第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
成年年齢は18歳
令和4年4月施行。単独で完全な法律行為能力を取得する基準年齢。
この条文の練習問題を解く
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
法人の権利能力の範囲(目的の範囲内)
法人は法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において権利を有し、義務を負う。法人の権利能力の限界を定款目的により画する規定。
「目的の範囲」の解釈
判例(最判昭45・6・24八幡製鉄政治献金事件)は目的を緩やかに解し、目的遂行に直接間接必要な行為まで含む。営利法人については特に広く、社会通念上有益な行為一般を含むと解される。
非営利法人での厳格適用
公益目的法人・特殊法人については目的の範囲が比較的厳格に解される傾向がある(最判昭44・4・8農協政治献金事件等)。営利法人と公益法人の取扱いを分ける実質的判断基準。
目的範囲外行為の効果
通説は目的範囲外行為を無効とする(権利能力否定説)。これに対し有効説(行為能力制限説)・代表権制限説等の対立があるが、判例は無効説を採る。
この条文の練習問題を解く
この法律は、令和三年九月一日から施行する。
2ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
3第二十七条(住民基本台帳法別表第一から別表第五までの改正規定に限る。)、第四十五条、第四十七条及び第五十五条(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律別表第一及び別表第二の改正規定(同表の二十七の項の改正規定を除く。)に限る。)並びに附則第八条第一項、第五十九条から第六十三条まで、第六十七条及び第七十一条から第七十三条までの規定
4公布の日
5略
6第十七条、第三十五条、第四十四条、第五十条及び第五十八条並びに次条、附則第三条、第五条、第六条、第七条(第三項を除く。)、第十三条、第十四条、第十八条(戸籍法第百二十九条の改正規定(「戸籍の」の下に「正本及び」を加える部分を除く。)に限る。)、第十九条から第二十一条まで、第二十三条、第二十四条、第二十七条、第二十九条(住民基本台帳法第三十条の十五第三項の改正規定を除く。)、第三十条、第三十一条、第三十三条から第三十五条まで、第四十条、第四十二条、第四十四条から第四十六条まで、第四十八条、第五十条から第五十二条まで、第五十三条(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第四十五条の二第一項、第五項、第六項及び第九項の改正規定並びに同法第五十二条の三の改正規定を除く。)、第五十五条(がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)第三十五条の改正規定(「(条例を含む。)」を削る部分に限る。)を除く。)、第五十六条、第五十八条、第六十四条、第六十五条、第六十八条及び第六十九条の規定
次に掲げる法律は、廃止する。
2行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)
3独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)
個人の尊厳
解釈の指導理念。家族関係・人格的利益の解釈で特に機能する。
両性の本質的平等
家族法解釈の指導理念。最大判平成27・12・16夫婦同氏訴訟等の根拠規定。
この条文の練習問題を解く
第一条の規定による改正後の民法(次項において「新民法」という。)第四百八十六条第二項の規定は、施行日以後にされる同項の規定による受取証書の内容を記録した電磁的記録の提供の請求について適用する。
2新民法第九百八十四条後段の規定は、施行日以後にされる同条前段の規定による公正証書遺言又は秘密証書遺言について適用し、施行日前にされた第一条の規定による改正前の民法第九百八十四条の規定による公正証書遺言又は秘密証書遺言については、なお従前の例による。
成年年齢は18歳
令和4年4月施行。単独で完全な法律行為能力を取得する基準年齢。
この条文の練習問題を解く
7公布の日から起算して一年を超えない範囲内において、各規定につき、政令で定める日
公共の福祉適合性(1項)
私権は公共の福祉に適合しなければならない。私権行使の最外延の制限であり、個別の制限規定の解釈指針となる。
信義誠実の原則(2項)
権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に行わなければならない。具体的妥当性を確保する一般条項であり、矛盾挙動禁止・事情変更の法理等の根拠となる。
権利濫用の禁止(3項)
権利の行使がその社会的目的を逸脱する場合は許されない。判例は客観的態様と主観的態様を総合考慮(最判昭和10・10・5宇奈月温泉事件)。
民法
信義則・権利濫用と権利行使の限界
民法
信義則による契約解釈と付随的義務の導出
この条文の練習問題を解く